中古マンションを探していると、物件の間取りや価格、駅距離ばかりに目が行きがちです。 しかし、実際に住み始めてから「もっと早く知っておけばよかった…」と後悔しやすいのが 洪水ハザードマップ です。
とはいえ、ハザードマップを見慣れている人はほとんどいません。 色分けの意味がわからなかったり、自分の候補物件が該当していたとしても「結局、何に気をつければいいの?」と疑問が残る人も多いでしょう。
特にマンションの場合は、戸建てと違って上階に住めば直接的な浸水被害は避けられるケースが多いため、「そこまで気にしなくてもいいのでは?」と考える人もいます。 しかし、実際には 避難の判断・家族の安全確保・資産価値への影響 など、知っておくべきポイントはたくさんあります。
この記事では、洪水ハザードマップの基本から、色分けの意味、マンション購入への影響、資産価値の考え方まで、初心者でも理解できるように丁寧に解説します。 読み終える頃には、あなた自身が「どの程度気にすべきか」を判断できるようになっているはずです。
- これから中古マンション購入を検討している人
- 内見時のチェックポイントを知りたい
- 洪水ハザードマップを知りたい
洪水ハザードマップは市区町村ごとで発行されている
まず最初に押さえておきたいのは、洪水ハザードマップは「全国共通のものではない」という点です。
同じ東京都内であっても、区によって浸水リスクは大きく異なります。 川の位置、地形、標高、過去の浸水実績など、地域ごとに条件が違うため、あなたが検討している物件のエリアに合わせて確認する必要があります。
また、ハザードマップは“川ごと”に作成されているケースも多く、同じ区内でも荒川流域と多摩川流域では想定がまったく異なることもあります。
つまり、物件探しをする際には 「市区町村名+ハザードマップ」 で検索し、必ずその地域の公式情報を確認することが重要です。
不動産会社の営業マンが説明してくれることもありますが、最終的に判断するのはあなた自身。
だからこそ、まずは「どこが発行しているのか」「どこを見ればいいのか」を理解しておくことが、安心して物件を選ぶための第一歩になります。
洪水ハザードマップは、市区町村ごとに発行されています。 川ごとに作成されていると考えるとイメージしやすいでしょう。
例として、以下のような自治体が公式に公開しています。
葛飾区水害ハザードマップ(令和7年3月発行)|葛飾区公式サイト
洪水ハザードマップ・浸水実績 | 防災マニュアル・防災マップ | 渋谷区ポータル
これらはすべて自治体が作成した信頼性の高い資料です。 物件探しの際には、必ず該当エリアのものを確認しましょう。
洪水ハザードマップの色分けの意味とは?
ハザードマップを見ると、赤・オレンジ・黄色・青など、さまざまな色が塗られています。
しかし、初めて見る人にとっては「どの色が危険なの?」「どれくらいの深さを示しているの?」と戸惑うことが多いはずです。
実はこの色分けは、浸水の深さを示しており、地域ごとのリスクを視覚的に理解できるように作られています。 ただし、色の意味は自治体によって微妙に異なることもあるため、必ず凡例(説明欄)を確認する必要があります。
特に中古マンション購入を検討している人にとって重要なのは、 「そのエリアがどれくらいの深さまで浸水する可能性があるのか」 「その浸水が生活にどれほど影響するのか」 という点です。
色分けを正しく理解することで、避難の判断や物件選びの基準が大きく変わります。
ここでは、代表的な色分けの意味をわかりやすく解説します。
色分けの意味

例えば上記の色分けは、葛飾区のホームページから取得できる「荒川洪水ハザードマップ」を参照しております。
見ての通り、濃い赤に該当するときは、5m以上の浸水区域に該当します。反対に黄色だと浸水区域には該当しますが、0.5m未満の区域です。
このハザードマップは、荒川流域で3日間に総雨量516mmの大雨(およそ200年に1度の規模の大雨)により、荒川下流域で堤防が決壊した想定で作成した「浸水想定区域図」をもとに作成したものです。
戸建ての場合はほとんどが該当してしまう
戸建てを検討している人にとって、洪水ハザードは特に重要なチェックポイントです。 なぜなら、戸建ては地面に直接建っているため、浸水の影響を受けやすい構造だからです。
浸水が1mを超えると、玄関から水が入り込み、家電や家具が使えなくなるだけでなく、床下・床上浸水による修繕費が高額になることもあります。 さらに、浸水後の生活再建には時間がかかり、保険でカバーできない部分も多く、精神的な負担も大きくなります。
もちろん、すべての戸建てが危険というわけではありません。 しかし、ハザードマップで深い浸水が想定されているエリアでは、戸建てのリスクはマンションより高くなりがちです。
戸建ては2階建て・3階建てが一般的で、1階部分が浸水すると生活に大きな影響が出ます。
浸水が心配な場合は、1階が駐車場で2階以上が住居になっているタイプを選ぶと安心です。
マンションは3階以上なら安心
マンションを検討している人にとって、洪水ハザードは「どこまで気にすべきか」が悩みどころです。 実際、マンションは戸建てと違い、上階に住むことで直接的な浸水被害を避けられるケースが多く、リスクの受け方が大きく異なります。
ただし、マンションでもエントランスや駐車場、電気設備が浸水すると、エレベーター停止や停電など、生活に影響が出る可能性があります。 そのため、「部屋が浸水しないから安心」とは言い切れません。
マンションの場合、3階以上であれば部屋まで浸水する可能性はほぼありません。
洪水リスクが気になる人は、マンション購入を選択肢に入れると良いでしょう。
大きな川を気を付けるべき
洪水リスクを考えるうえで、最もわかりやすい指標が「川との距離」です。 特に東京23区では、川沿いのエリアは地形的に低く、浸水リスクが高い地域が多く存在します。
川の近くは眺望が良かったり、散歩コースがあったりと魅力も多いのですが、洪水ハザードの観点では慎重に判断する必要があります。
特に荒川・墨田川・多摩川などの大きな河川は、氾濫した場合の影響範囲が広く、浸水深も深くなる傾向があります。
東京で言うと、以下の区は浸水エリアに該当しやすいです。
足立区
葛飾区
荒川区
江戸川区
江東区
北区
反対に、世田谷区・練馬区・杉並区・中野区などは浸水リスクが低いエリアが多いです。
資産価値への影響
洪水ハザードは「住むときの安全性」だけでなく、「資産価値」にも影響します。 不動産は購入して終わりではなく、将来売却する可能性も考えておく必要があります。
特に近年は、購入者の防災意識が高まっており、ハザードマップを確認するのは当たり前になりました。 そのため、浸水リスクが高いエリアは価格が下がりやすく、売却時に買い手がつきにくい傾向があります。
資産価値についての詳細はこちら:中古マンション購入の売れやすい資産価値ランキング!売れやすい築年数とは? – 中古マンション専門メディアミクロ不動産
不動産価格に影響はある
洪水ハザード浸水が深いエリアは、不動産価格に影響が出ます。
あなたが買うときも安く、売るときも安いです。
売るときに影響する
あなたがこの記事を見ているように、洪水ハザードは全てのお客様が確認するポイントです。
浸水が深いエリアは、嫌がられてしまいます。
その為、売りずらさに影響する可能性があります。
致命的な欠点とは言えない
洪水ハザードに該当する場合には、価格が下がることや、売るときに影響が出る可能性もあります。
とは言え、洪水ハザードについては、致命的な欠点とは言えません。
そもそも、あなたが住んでからの将来、本当に5m級の洪水が起こるのか?
大地震よりも確率が低そうな気すらします。
実は、地震を気にする人は多いですが、洪水については、思っているほど気にしない人が多いです。
川の至近は売れずらい
致命的ではないと前述しましたが、川の至近の場合は話は別です。
川至近は、眺望が良かったり、散歩コースがあったりと、超巨大な公園が近くにあるようなもの。
メリットはたくさんありますが、川の近くであることによる洪水懸念は強くなります。
致命的ではない感覚ですが、売りずらいことは間違いありません。
まとめ
洪水ハザードマップは、不動産購入において「確認しておけばよかった」と後悔しやすいポイントのひとつです。
しかし、正しく理解すれば、必要以上に恐れる必要はありません。
マンションであれば、3階以上に住むことで直接的な浸水被害を避けられるケースが多く、戸建てよりもリスクは低くなります。 一方で、エリアによっては資産価値に影響が出ることもあるため、購入前に必ず確認しておくことが大切です。
また、洪水ハザードは「危険だから避けるべき」という単純な話ではありません。 川沿いには眺望や公園などの魅力もあり、生活の質が高いエリアも多く存在します。 重要なのは、リスクとメリットを理解したうえで、自分や家族にとって最適な選択をすることです。
この記事を通じて、あなたが洪水ハザードマップを正しく読み解き、安心して中古マンションを選べるようになれば嬉しいです。 不動産購入は大きな決断ですが、知識を持つことで不安は確実に減り、より納得のいく選択ができるようになります。











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