重要事項調査報告書(重調)の費用と取得手順|管理会社17社の金額比較

中古マンション購入の売買契約前に、仲介業者が管理会社へ取得を依頼する書類が重要事項調査報告書(重調)です。

「費用はいくらかかるの?」「どの管理会社が高いの?」「いつ申請すれば間に合う?」——こうした質問を、購入検討者から日常的に受けます。実務上、重調の取得遅れは契約日のずれに直結するため、費用と手順を事前に把握しておくことが大切です。

この記事では、17社の取得費用を一覧で比較し、申請から受取までの5ステップ、各社の実務上の特徴、よくある疑問までまとめました。

目次

この記事でわかること

  • 重調の取得費用の相場(14,300円〜19,800円が大半)
  • 管理会社17社の費用比較一覧(全行掲載)
  • 合人社計画研究所の料金内訳
  • 申請から受取までの手順(5ステップ)
  • 買主が知っておくべき注意点とQ&A

重要事項調査報告書(重調)とは

重要事項調査報告書とは、マンションの管理会社が発行する書類で、以下の情報が記載されています。

  • 管理費・修繕積立金の金額と滞納状況
  • 大規模修繕の計画・履歴
  • 管理組合の財務状況(借入額・未収額など)
  • 建物の設備・修繕履歴

売買契約の重要事項説明で用いられる実務上の必須書類です。重調が揃わないと、仲介会社は重要事項説明を実施できず、契約日が後ろ倒しになるケースがほとんどです。

重調の見方や発行タイミングの詳細は重要事項調査報告書の解説(重調の解説)発行のタイミング徹底解説をご覧ください。管理費・修繕積立金の読み方は中古マンションの管理費・修繕積立金|月2万円台の相場と値上がりリスクの見方も参考になります。


費用相場:14,300円〜19,800円(管理規約は別途)

重調の取得費用は管理会社によって異なります。14,300円〜19,800円が大半ですが、一部の会社は事務手数料込みの設定です。管理規約コピーは別料金が一般的で、重調と合わせると合計20,000〜28,000円前後を諸費用に含めて見積もっておきましょう。

諸費用全体の内訳は中古マンション購入の諸費用|物件価格の5〜8%が相場・仲介手数料を含む全内訳で整理しています。仲介手数料の考え方については仲介手数料無料の不動産会社の選び方|からくりと注意点まとめもあわせてご確認ください。

管理会社17社の費用一覧

管理会社重要事項調査報告書管理規約コピー
日本ハウズイング16,500円5,500円
東急コミュニティー19,800円6,600円
大京アステージ17,600円4,400円
住友不動産建物サービス16,000円5,000円
野村不動産パートナーズ17,600円5,500円
合人社計画研究所33,000円(基本事務手数料含む)3,850円
日本総合住生活16,500円
穴吹コミュニティ17,600円4,400円
三菱地所コミュニティ16,500円5,500円
大成有楽不動産14,300円4,400円
伊藤忠アーバンコミュニティ17,600円5,500円
東京建物アメニティサポート16,500円5,500円
ライフサポート西洋14,300円5,500円
穴吹ハウジングサービス14,300円5,500円
明和地所コミュニティ19,250円5,500円
長谷工コミュニティ16,500円5,500円
大和ライフネクスト18,700円7,700円

※いずれも税込価格です。

各社の実務メモ(元記事の独自情報)

日本ハウズイング:急ぎのときは重調をFAXで送ってくれるなど、柔軟に対応してくれる印象があります。

東急コミュニティー:不動産業者からの電話問い合わせは受け付けていません。メール対応のみのため、不動産調査がスローになるとやりづらい点があります。

合人社計画研究所:細かく項目設定されており、どれを取得すべきか迷いやすいですが、重要事項説明に必要な情報はすべて取得するのが無難です。33,000円は基本事務手数料込みの合計で、実質の書類費用は他社と大差ありません。

三菱地所コミュニティ:管理規約のほか、パンフレット写し2,200円(税込)が別途あります。

大成有楽不動産:長期修繕計画書4,000円(税込)が別途あります。重調と合わせて取得するケースが多いです。

東京建物アメニティサポート:長期修繕計画書は管理規約価格に含まれます。

ライフサポート西洋・穴吹ハウジングサービス:パンフレットの写し3,300円(税込)が別途あります。

大和ライフネクスト:お急ぎ便3,300円(税込)が別途あります。契約日が迫っているときは早めに相談しましょう。

合人社計画研究所の料金内訳(全27項目+事務手数料)

合人社は項目ごとに課金されるため、内訳を把握しておくと安心です。重要事項説明に必要な書類をすべて揃えると、税込33,000円になります。

文書名税込価格
1.交付資料に関する証明書1,650円
2.修繕積立金積立総額及び各勘定総額440円
3.管理費・修繕積立金等の月額440円
4.管理組合の金融機関からの借入額※該当なしの場合あり330円
5.管理費・修繕積立金等の滞納額440円
6.管理組合全体の未収額440円
7.建築年次・共用部分の内装・外装の修繕実施状況※該当なしの場合あり330円
8.駐車場、駐輪場・バイク置場、トランクルームについて990円
9.楽器の演奏の制限、ペット飼育、内装工事のルール、専有部分の用途制限880円
10.設備(衛星放送アンテナ・CATV・インターネット環境・電力一括受電)880円
11.管理費等の改定予定、大規模修繕工事実施予定・一時金徴収の有無880円
12.水道徴収方式/共用部の電気・ガス会社880円
13.管理清掃員の業務形態880円
14.ゴミ出しルール880円
15.専用使用料880円
16.アスベスト使用調査結果記録の有無※該当なしの場合あり330円
17.耐震診断結果記録の有無※該当なしの場合あり330円
18.管理形態880円
19.町内会費有無、詳細880円
20.民泊可否880円
21.建物の建築及び維持保全の状況に関する書類の有無880円
22.管理規約コピー3,850円
23.長期修繕計画書3,300円
24.決算予算書550円
25.図面集+コンセプト集(カラー)3,300円
26.図面集1,650円
27.コンセプト集(カラー)1,650円
基本事務手数料3,300円
合計33,000円

管理規約コピーも忘れずに

管理規約コピーは重要事項説明で重調と合わせて必要になります。ペット飼育・リフォーム制限・バルコニー利用ルールなど、購入後の生活に直結する情報が記載されています。

管理規約の内容や確認ポイントはマンション管理規約・使用細則とは?ペットの飼育細則とは?確認方法を解説をご覧ください。内見時に確認すべき項目は中古マンション内見チェックリスト|現役不動産担当が教える30の確認ポイントも参考になります。


取得手順:申請から受取まで5ステップ

ほとんどの管理会社でオンライン申請に対応しています。元記事で整理した手順を、買主向けにまとめ直しました。

STEP 1|管理会社のWEBページで申請

物件の管理会社を確認し、各社の申請フォームにアクセスします。管理会社がわからない場合は、マンション共用部の掲示板に掲示されているか、仲介業者に確認してください。

STEP 2|アカウント作成と情報入力

氏名・連絡先・物件情報(住所・部屋番号)などを入力してアカウントを作成します。会社情報や不動産担当者の情報、売主の情報を求められる場合もあります。

STEP 3|振込案内メールを受取

申請完了後、費用の振込先案内がメールで届きます。

STEP 4|振込・入金確認

案内に従い振込を行います。振込明細書を添付して指示に従い手続きを完了する形式の会社もあります。入金確認後、発行手続きが進みます。

STEP 5|報告書の受取

  • FAX:最短で2営業日
  • 郵送:最短5営業日〜最大10営業日程度

スケジュールに注意:郵送の場合、週末をはさむと1週間以上かかることが多いです。不動産屋の定休日(火・水が多い)や長期休暇(GW・お盆・年末年始)も重なると、さらに遅れます。不動産屋のGW・夏季・年末年始の休業期間一覧もあわせて確認しておきましょう。

売買契約のスケジュールに余裕を持って、申し込み直後に重調取得を依頼するのが鉄則です。


買主が知っておくべき注意点3つ

① 管理会社によって申請方法が異なる

WEB申請に対応していない会社もあります。電話対応のみの場合はFAXで申請書を送る形式が一般的です。仲介業者が代行するのがほとんどなので、買主が直接手続きするケースは稀です。

② 費用は固定。値引き交渉はできない

重調の取得費用は管理会社が定めた固定額です。物件価格や値引き交渉によって変わることはありません。仲介手数料とは別の費用です。

③ 重調の内容で購入判断が変わることもある

滞納額が多い、大規模修繕の一時金徴収予定がある、管理組合に借入がある——こうした情報は重調に記載されます。購入後の出費リスクを見極めるうえで重要な書類です。中古マンション購入でよくある失敗・後悔50選でも、管理状態の確認を繰り返し強調しています。

重調取得の遅れは、住宅ローン本審査や契約日にも影響します。ローン審査の流れは住宅ローンで落ちる理由とは?属性・担保の審査基準項目一覧をご参照ください。


よくある疑問Q&A

Q. 重調の費用は誰が払う?

基本的に不動産仲介会社負担です。一部の会社によっては売主負担になることがあります。買主が直接負担することは通常ありませんが、諸費用の見積もりに含まれているかは事前に確認しておきましょう。

Q. 重調と管理規約は別の書類?

別の書類です。重調は財務・滞納状況、管理規約はマンションのルールが記載されています。重要事項説明では両方必要になります。

Q. 管理会社がわからない場合は?

マンション共用部の掲示板に管理会社名が掲示されていることが多いです。仲介業者に確認するのが最も確実です。

Q. 重調がないと売買できない?

実務上は必須扱いです。取得できない場合は取引が進まないケースがほとんどです。

Q. 登記簿謄本と重調はどう違う?

登記簿謄本は法務局が発行する権利関係の書類、重調は管理会社が発行する管理状況の書類です。どちらも重要事項説明に必要です。登記手続きの全体像は中古マンションの登記費用|30万円台〜の内訳と物件価格別シミュレーションで解説しています。


まとめ

  • 重調の費用相場は14,300〜19,800円(合人社計画研究所のみ33,000円・事務手数料込み)
  • 管理規約コピーと合わせると合計20,000〜28,000円前後
  • 17社すべてで金額に差があるため、物件の管理会社を早めに確認する
  • 申請はWEBが基本。受取まで郵送で最大5〜10営業日
  • 売買スケジュールに余裕を持って、申し込み直後に取得依頼するのが鉄則

重調は諸費用の中でも見落とされやすい費用の一つです。金額と手順を把握したうえで、資金計画と契約スケジュールに必ず組み込んでおきましょう。

 

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この記事を書いた人

不動産を愛しています。売買不動産歴10年以上、法人営業、個人営業を経験。売却査定数は5000件以上、内見数は1000件以上、取引数は500件以上、リノベーション件数300件、顧客満足な案件も、訴訟レベルのトラブル案件も経験してきました。不動産購入を検討している人やリノベーションを検討している人、不動産関係者に有益な情報を提供していきます。

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