家を買うべきか、それとも賃貸のままでいるべきか。
このテーマは、人生の中でも特に悩ましい選択のひとつです。
そして最近では、「今家を買うと5年後・10年後に大変なことになる」という噂まで飛び交い、ますます判断が難しくなっています。SNSでも、YouTubeでも、街の不動産屋でも、さまざまな意見が語られていますが、どれも断片的で、結局どれを信じればいいのかわからなくなる人も多いでしょう。
しかし、実際のところ不動産市場は、単純に「買うべき」「買わないべき」と割り切れるほど簡単ではありません。価格、金利、人口、エリア特性、ライフプラン…。複数の要素が複雑に絡み合い、誰にとっても同じ答えになるわけではないのです。
だからこそ、今の状況を冷静に整理し、5年後・10年後に何が起こり得るのかを一度じっくり考えてみる価値があります。
この記事では、あなたが抱えている不安や疑問を、ひとつずつ丁寧に紐解いていきます。読み終える頃には、「自分はどう判断すべきか」が自然と見えてくるはずです。
- これから不動産購入を検討している人
- 将来の不動産市場について知りたい人
「今家を買う人が信じられない」その理由とは?
まず最初に、多くの人が「今は買うべきではない」と感じる最大の理由である“価格高騰”について触れておきましょう。
不動産価格が上がっているというニュースは、ここ数年で何度も耳にしたはずです。しかし、実際にどれくらい上がっているのか、そしてその背景に何があるのかを正しく理解している人は意外と多くありません。
価格が上がっているという事実だけを見ると、「今買ったら損をするのでは?」と不安になるのは当然です。しかし、価格上昇には必ず理由があります。そして、その理由を知ることで、今後の価格がどう動くのかを冷静に考えることができるようになります。
ここでは、過去30年間の価格推移を振り返りながら、なぜ今のような状況になっているのかを丁寧に整理していきます。
過去30年の価格高騰
過去30年間の不動産価格を振り返ると、実はずっと上がり続けています。
バブル崩壊後に一度大きく下がったものの、その後は長期的に右肩上がり。
特に都市部では、下がるどころか「上がり続けている」という表現が正しいでしょう。
中古マンションの価格推移を見ても、
- 成約件数
- ㎡単価
- 平均価格
これらすべてが長期的に上昇しています。
この事実を知ると、多くの人がこう感じます。
「こんなに上がっているなら、今買うのは危険なのでは?」
「もう天井なんじゃないか?」
しかし、ここで大切なのは、
“価格が上がっている理由”
を理解することです。
価格が上がるのは、
- 需要がある
- 供給が限られている
- 金利が低い
- 都市部に人口が集中している
こうした複数の要因が重なっているからです。
つまり、単純に「高いから危険」という話ではなく、
“高くなる理由があるから高くなっている”
ということです。
そして、この構造はすぐに崩れるものではありません。
今買うことに抵抗感がある人のほとんどが、価格の高騰を理由にあげるでしょう。
過去30年間の価格推移については、下記の記事をご参照ください。
中古マンション過去30年の価格推移と成約数推移と㎡単価推移をまとめました – ミクロ不動産
直近5年間のコロナによる価格高騰は強烈
コロナ禍の5年間で、不動産価格は驚くほど上昇しました。
特に都市部のマンションは、1,000万円〜2,000万円以上の値上がりが珍しくないほどで、まさに“異常な上昇”と言われるほどの勢いでした。
価格が上がった理由は複数あります。
- 低金利で買える人が増えた
- 在宅勤務で家の価値が見直された
- 建築コストの上昇
- 売り物件が減り、買い手が増えた
これらが同時に起きたことで、価格は急上昇しました。
しかし、これは“理由のある上昇”であり、
「根拠のないバブル」ではありません。
金利が上がっている
次に、多くの人が気にしているのが「金利上昇」です。
マイナス金利が終了し、住宅ローン金利も上がり始めています。
金利が上がると、月々の支払いが増えるため、
「今は買い時ではない」という声が増えます。
しかし、金利は上げすぎると、
すでに住宅ローンを組んでいる人の生活が苦しくなります。
そのため、
急激に上げ続ける可能性は低い
と考えられます。
5年後・10年後に金利が爆上がりする可能性は低いですが、
15〜20年後には、今のローン利用者の残債が減るため、
金利を上げやすくなる可能性はあります。
人口減少
人口減少は、日本全体の大きな課題です。
空き家問題も深刻化しており、「人口が減るなら不動産価格も下がるのでは?」と考える人も多いでしょう。
人口が少ない地方では、確かに価格下落の可能性があります。
しかし、一都三県は別です。
- 人口が減っても流入が続く
- 仕事が集中している
- 交通インフラが強い
- 需要が安定している
そのため、
極端な価格下落は考えにくい
と言えます。
これらが5年後10年後に影響してくるのか?
ここまでの要素を踏まえ、
「では、5年後・10年後に本当に危険なのか?」
という疑問に向き合っていきます。
結論から言えば、
5年後・10年後に大きな影響が出る可能性は低い
と考えられます。
価格は横ばい、金利は緩やか、人口はエリアによって差がある。
つまり、
「買ってはいけない理由」は限定的です。
価格は今後横ばいと予測
価格が今後どう動くのかは、多くの人が最も気にするポイントです。
価格は、
上がり続けることも、急落することも考えにくい
というのが現実的な見方です。
理由は、
- 不動産購入のニーズは一定
- 月々の支払いが常識的な範囲に収まっている
- 都市部の需要は安定している
などが挙げられます。
今後も金利が上がる懸念
金利の話になると、多くの人が急に不安を感じ始めます。
「金利が上がったら住宅ローンが払えなくなるのでは?」
「今後も上がり続けるのでは?」
「買った後に金利が急上昇したらどうしよう…」
こうした不安は、住宅購入を検討する人にとって避けて通れないテーマです。
特に最近は、アメリカとの金利差が話題になり、日本も金利を上げざるを得ないのではないかという声が増えています。ニュースでも「利上げ」「金利上昇」という言葉が頻繁に出てくるため、心理的に“今は危険なのでは?”と感じてしまうのも無理はありません。
しかし、金利というのは単純に「上がる・下がる」で語れるものではなく、国の経済状況や家計への影響を慎重に見ながら調整されるものです。
だからこそ、短期的な不安に振り回されず、長期的な視点で冷静に考えることが大切です。
確かに、アメリカとの金利差が広がっていることから、日本でも金利が上がる可能性はあります。
しかし、ここで重要なのは、
「金利は上げればいいというものではない」
という点です。
金利を上げすぎると、すでに住宅ローンを組んでいる人たちの月々の支払いが増えてしまいます。
住宅ローンは30年、35年という長期で組むものですから、金利が1%上がるだけでも家計への負担は大きくなります。
もし急激に金利を上げれば、
・生活が苦しくなる家庭が増える
・消費が落ち込む
・景気が悪化する
という悪循環が起きてしまいます。
そのため、
「金利を上げすぎるのは危険」
という見方が非常に強いのです。
だからこそ、今後5年〜10年の間に金利が急激に上がり続ける可能性は低いと考えられます。
むしろ、緩やかに調整される程度で、家計を圧迫するような急上昇は避けられるでしょう。
ただし、15年〜20年後になると話は少し変わります。
今住宅ローンを組んでいる人たちの残債が減り、返済期間も短くなっているため、金利を上げても家計への影響が小さくなる時期です。
つまり、
短期的には大きく上がりにくいが、長期的には上がる可能性がある
というのが現実的な見方です。
人口減少について
日本全体で人口が減っているというニュースは、誰もが一度は耳にしたことがあるでしょう。
「人口が減るなら家の価値も下がるのでは?」
「空き家が増えるなら不動産は買わないほうがいいのでは?」
こうした不安を抱く人は非常に多いです。
確かに、人口減少は不動産市場にとって無視できない要素です。
しかし、人口減少と不動産価格の関係は、実はとても“地域差が大きい”という特徴があります。
全国一律で下がるわけではなく、エリアによって影響度がまったく違うのです。
人口が少ない地方では、売買件数が減り、不動産価格が下落する可能性があります。
これは事実です。
需要が減れば、当然価格は下がりやすくなります。
しかし、一都三県(東京・神奈川・千葉・埼玉)は話が別です。
なぜなら、
・仕事が集中している
・交通インフラが強い
・大学や企業が多い
・転勤・転職・進学などの流動性が高い
・外国人の流入も多い
こうした理由から、人口が多少減ったとしても、
不動産の流通量が極端に減ることは考えにくい
のです。
つまり、
「人口減少=不動産価格が下がる」
という単純な構図ではありません。
地方は下がる可能性がある。
一都三県は下がりにくい。
この“エリア差”を理解しておくことが非常に重要です。
そもそも賃料がもったいない考え方
不動産の議論では、価格や金利の話が中心になりがちですが、実はもうひとつ大事な視点があります。
それが、
「賃料を払い続けることのもったいなさ」
です。
賃貸は気軽で便利ですが、家賃は一生戻ってきません。
そして、家賃を払い続けるということは、
“毎月お金が消えていく”
ということでもあります。
この視点を忘れてしまうと、
「価格が下がるまで待とう」
「金利が落ち着くまで様子を見よう」
という判断が、実は大きな損につながる可能性があります。
たとえば、月10万円の家賃を払っているとします。
1年で120万円です。
では、1年間待ったとして、不動産価格が120万円以上下がるでしょうか?
ほとんどの場合、そんなに下がりません。
もし待つのであれば、
最低でも500万円くらいは下がってほしい
と思うのが本音でしょう。
しかし、現実的にそこまで下がる可能性は低いです。
価格が横ばいになる可能性はありますが、
大幅に下がる可能性は高くありません。
つまり、
待つこと自体が損になるケースが多い
ということです。
賃料は積み上がるスピードが速く、
不動産価格の下落を待つよりも、
家賃の支払い総額のほうが先に大きくなってしまうのです。
まとめ:結論5年後10年後の影響は少ない
ここまで、価格、金利、人口、賃料という複数の視点から不動産市場を見てきました。
それぞれに不安要素はありますが、同時に“過度に心配する必要はない”という根拠も見えてきたはずです。
では、最終的にどう判断すべきなのか。
5年後、10年後に本当に危険なのか。
ここで結論をまとめます。
価格の高騰、コロナの影響、金利上昇、人口減少…。
確かに不安材料はあります。
しかし、
一都三県のような流通量が多いエリアでは、5年後・10年後に大きな問題が起きる可能性は低い
と言えます。
むしろ、
・賃料を払い続けることの損失
・ローンを早く始めるメリット
・資産として残る価値
・将来の住まいの安定
こうした“買う側のメリット”のほうが大きいケースが多いのです。
そして何より、
不動産価格の下落を待つよりも、賃料の積み上げのほうが圧倒的に早い
という現実があります。
つまり、
「待つことのリスク」のほうが大きいのです。
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