マンション購入を検討していると、間取りや立地、価格にはしっかり目を向けるのに、「構造」まで深く考える人は意外と多くありません。実際、内見に行っても構造の話題が出ることは少なく、営業担当者からも積極的に説明されないことがほとんどです。
理由はシンプルで、現在販売されているマンションの大半が鉄筋コンクリート造(RC造)以上の構造で建てられているため、あえて比較する必要がないと思われているからです。
しかし、構造はマンションの「住み心地」「安全性」「資産価値」に直結する非常に重要なポイントです。
特に中古マンション市場では、鉄骨造(S造)の物件も一定数存在し、価格の安さから候補に入ることもあります。構造の違いを理解していないと、購入後に「思っていたより音が響く」「売却しづらい」などの後悔につながる可能性があります。
この記事では、マンションでよく使われる構造である鉄骨造(S造)と鉄筋コンクリート造(RC造)、そして鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)について、メリット・デメリットを含めてわかりやすく解説します。 これから中古マンションを検討する方、鉄骨造の購入を迷っている方、構造の基礎知識を身につけたい方にとって、判断材料として役立つ内容になっています。
- 中古マンション購入を検討している
- 鉄骨造の購入を検討している
- 構造について、基本的な知識を身に着けたい
マンションの構造、W造 S造、RC造、SRC造
マンションの構造は複雑に見えますが、実は大きく分けると「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」「鉄骨鉄筋コンクリート造」の4種類です。ここでは、それぞれの特徴をざっくり把握しておきましょう。
W造 木造
木造と聞くと「戸建てのイメージが強い」という方が多いと思います。実際、木造マンションは市場にほとんど出回っておらず、見かけることは極めて稀です。
木造は軽量で扱いやすく、コストも抑えられるため戸建てでは主流ですが、マンションのように階数が多く、耐火性・耐震性が求められる建物にはあまり採用されません。
もし木造マンションが売りに出ていた場合、構造上の弱点を理解したうえで慎重に検討する必要があります。
S造 鉄骨造
鉄骨造は、鉄を柱や梁として使用する構造です。
マンションではあまり多くありませんが、5〜6階建て程度の中低層マンションで採用されることがあります。
鉄は軽くて強く、粘りがある素材ですが、鉄骨造のマンションは「価格が安い」というメリットがある一方で、「防音性が弱い」「耐震性がRC造より劣る」などの特徴もあります。
中古マンション市場では、価格の安さから候補に入ることも多いため、特徴をしっかり理解しておくことが大切です。
重量鉄骨造(厚さ6mm以上)
ラーメン構造で建築され、設計の自由度が高いのが特徴です。強度も高く、鉄骨造の中では上位の性能を持ちます。
軽量鉄骨造(厚さ6mm未満)
鉄骨軸組工法(ブレース工法)で建築され、木造の在来工法に近いイメージです。柱や梁が鉄骨で構成されます。
※東京タワーの下部構造も鉄骨造で作られているほど、鉄骨は強度の高い素材です。
RC造 鉄筋コンクリート造
RC造は、マンションで最も一般的な構造です。鉄筋とコンクリートを組み合わせることで、圧縮に強いコンクリートと、引張に強い鉄筋の弱点を補い合う仕組みになっています。
耐震性・耐火性・防音性のバランスが良く、マンションの標準構造と言える存在です。構造を深く知らなくても「RC造なら安心」というイメージを持つ人が多いのは、この総合力の高さが理由です。
RC造は、コンクリートの中に鉄筋を配することで強度を高めた構造です。
コンクリート:圧縮力を負担
鉄筋:引張力を負担
この組み合わせにより、粘り強さ(靭性)が生まれ、地震に対しても強い構造になります。
靭性とは、粘り強さのことを言います。
下図の、1つ目のように上からの力があった場合、靭性の粘りがないと
2つ目の図のようにヒビがはいったり、最悪割れてしまいます。
靭性がある構造であれば、3つ目の図のように粘りがあるので、より強い構造になります。



SRC造 鉄骨鉄筋コンクリート造
SRC造は、鉄骨造と鉄筋コンクリート造の“いいとこ取り”をした最強クラスの構造です。
鉄骨の周りに鉄筋を組み、さらにコンクリートで固めることで、耐震性・耐火性・防音性のすべてが高いレベルで実現されています。
高層マンションや高層ビルに採用されることが多く、構造としてはトップクラスの性能を誇ります。
SRC造は、鉄骨造(S造)と鉄筋コンクリート造(RC造)を組み合わせた構造です。 高層マンションやスカイツリーにも採用されるほど、耐震性・耐火性・防音性に優れています。
鉄骨造と鉄筋コンクリートの違いは?
鉄骨造のメリットとデメリット
鉄骨造のマンションは、価格の安さから候補に入ることが多い構造です。
特に中古市場では、同じエリア・同じ広さでもRC造より数百万円安いケースも珍しくありません。
しかし、安さには理由があります。防音性や耐震性の弱さ、住宅ローン審査で不利になる可能性など、購入前に知っておくべきポイントが多くあります。ここでは、鉄骨造のメリットとデメリットを整理していきます。
メリット
相場より安く売られていることが多い
築古物件が多く、価格を抑えやすい
デメリット
防音性能が弱い傾向
耐震性がRC造より劣る
住宅ローン審査で担保評価が低くなる可能性
将来売却時に苦労するケースもある
●鉄骨造の防音対策
二重サッシの設置が現実的で、1か所あたり11〜17万円程度。 5か所施工すると約75万円ほどになります。 壁を剥がして防音材を入れる工事は100〜300万円かかるため、二重サッシが最も費用対効果が高い対策です。
鉄筋コンクリートと鉄骨鉄筋コンクリートのメリット・デメリット
RC造とSRC造は、マンション構造の中でも最も一般的で、かつ性能面でも優れています。防音性・耐震性・耐火性のバランスが良く、住宅ローン審査でも不利になることはありません。
価格は鉄骨造より高くなりますが、資産価値の維持という観点では非常に安定しています。
メリット
防音性が高い
耐震性・耐火性に優れる
住宅ローン審査で不利にならない
資産価値が落ちにくい
デメリット
鉄骨造より価格が高い
それでも安いから鉄骨造マンションを購入したい人に
鉄骨造マンションはデメリットも多いですが、「立地が良くて価格が安い」という魅力があります。
すべての鉄骨造が悪いわけではなく、条件次第では十分“買い”になるケースもあります。ただし、鉄骨造の弱点に加えて、他の懸念点が重なると一気に売却しづらくなるため、購入前に必ずチェックすべきポイントがあります。
立地が良く、周辺相場より明らかに安いこと
リノベーション済みであること(自分でやると高額)
世帯数30以上 自主管理についての記事
土砂災害警戒区域に入っていないか 東京都 土砂災害警戒区域等マップ
強烈な坂の上ではないか
急傾斜地崩壊危険区域ではないか 急傾斜地崩壊危険区域とは 東京都建設局
借地権ではないか
鉄骨造以外の懸念が重なると売却が難しくなるため、慎重に見極めましょう。
ローン否決になりやすい物件の解説:致命的 住宅ローン審査に通過しない物件 通らない理由 担保評価について – ミクロ不動産
投資用として購入する場合は、鉄骨造も選択肢として十分アリです。
価格が安いため利回りが良く、賃貸では構造を気にしない人も多いからです。
戸建ての場合は見方が変わる
マンションとは異なり、戸建てでは木造か鉄骨造の選択になります。
鉄骨造の戸建て
木造より耐震性が高い
リフォーム時に間取り変更がしやすい(ラーメン構造)
断熱性が低いため対策が必須
建築コストが高い
木造の戸建て
断熱性が高い
建築コストが安い
ツーバイフォー工法は間取り変更が難しい
まとめ
マンション購入において「構造」は、住み心地や安全性、そして将来の資産価値に大きく影響する重要な要素です。普段あまり意識されない部分ですが、鉄骨造・鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造の違いを理解することで、物件選びの精度は大きく向上します。
鉄骨造は価格の安さが魅力ですが、防音性や耐震性、住宅ローン審査での不利など、注意すべき点も多くあります。一方、RC造やSRC造は総合的な性能が高く、資産価値も安定しているため、迷ったらこちらを選ぶのが無難です。
ただし、鉄骨造でも「立地が良い」「リノベ済み」「世帯数が多い」などの条件が揃えば、十分に満足度の高い住まいになります。大切なのは、構造の特徴を理解したうえで、自分のライフスタイルや予算、将来の売却可能性を踏まえて判断することです。
マンションは大きな買い物だからこそ、構造を知ることで“後悔しない選択”ができるようになります。この記事が、あなたの住まい選びの一助になれば幸いです。




















コメント
コメント一覧 (1件)
[…] 鉄筋コンクリート造についての記事:中古マンション購入の鉄骨造と鉄筋コンクリートとの違い、メリットやデメリット、防音について […]