中古マンションの購入は、一生に一度の大きなお買い物ですよね。間取りや立地、価格に目が行きがちですが、実は「住み始めてから気づく落とし穴」として非常に多いのが、エアコンが設置できるかどうかという問題です。
「今の時代、エアコンなんてどこでも付けられるでしょ?」と思われがちですが、中古マンション、特に築年数が経過している物件では、構造上の理由で「エアコンを付けたくても付けられない部屋」が存在します。特に共用廊下側に面したお部屋などは注意が必要です。
今回は、せっかく手に入れたマイホームで「夏が暑すぎて眠れない!」といった後悔をしないために、エアコン設置の可否の見分け方から、設置不可だった場合の解決策まで、プロの視点で徹底的に詳しく解説していきますね。
- これから中古マンション購入を検討している人
- エアコン設置について事前に調べておきたい人
中古マンションを探していると、最初からピカピカのエアコンが設置されている物件に出会うことがありますよね。これにはいくつか理由がありますが、主には「リノベーション済み物件」であることが多いです。
不動産会社が一度買い取って、内装をすべて新しくしてから売り出すリノベーション物件では、販売戦略としてエアコンを設置することがあります。これは、内見に来たお客様に快適に過ごしてもらうための「おもてなし」でもあり、「この部屋はちゃんとエアコンが付きますよ」という証明でもあるんです。
ただ、すべての部屋に付いているとは限りません。「リビングだけ」「寝室だけ」というケースも多いので、その背景や注意点を詳しく見ていきましょう。
内見時の快適さが成約を左右する
リノベーション済み物件にエアコンが付いている最大の理由は、実は**「内見滞在時間を延ばすため」**なんです。 真夏の猛暑日や真冬の凍えるような日に、エアコンのない空室を内見するのは想像以上に過酷です。
暑さや寒さで「早く帰りたい」と思われてしまったら、物件の良さを十分に伝えられませんよね。
エアコンが効いた快適な室内なら、お客様もゆっくりと家具の配置を考えたり、キッチンに立ってみたりと、そこでの暮らしを具体的にイメージしてくれます。不動産会社にとっては、エアコン1台のコストで成約率が上がるなら安い投資というわけです。
どこに設置されているかをチェック!
不動産会社の考え方によって、設置する場所は異なります。
「リビングのみ設置」の場合: 最も滞在時間が長く、メインとなる部屋を快適にするため。
「居室(個室)のみ設置」の場合: 「このマンションは廊下側の部屋にもちゃんとエアコンが付けられますよ」という安心感をアピールするため。
もし、リビングにしかエアコンが付いていない場合は、他のお部屋の壁を確認してください。エアコンを引っ掛けるための金具(背板)が付いていなくても、設置用の穴やコンセントがあるかどうかを必ずチェックしましょう。
エアコンが付いていない場合は穴を探す
「エアコンが付いていない物件=設置できない」というわけではありません。多くの中古マンションは、エアコンがない状態で売り出されています。その際、私たちが真っ先に確認しなければならないのは、壁にある「穴(スリーブ)」の存在です。
この穴は、エアコンの室内機と室外機をつなぐ「冷媒管」というパイプを通すためのものです。マンションの壁は「躯体(くたい)」といって、建物の強度に関わるコンクリートでできているため、後から勝手に穴を開けることは管理規約で禁止されているのが一般的です。
つまり、**「最初から穴が開いていなければ、基本的にはエアコンは付けられない」**という厳しい現実があるのです。バルコニー側と共用廊下側で状況が大きく異なるので、その理由を詳しく紐解いていきましょう。
バルコニー側は高確率で設置可能
リビングやバルコニーに面したお部屋については、まず心配ありません。室外機を置く場所(ベランダ)がすぐ外にあるため、建設時からエアコン用の穴が設計されています。 もし穴が見当たらなくても、窓の上部に「窓パネル」を取り付けて配管を通す方法もあります。バルコニーがあるお部屋は、逃げ道がいくらでもあるので安心してくださいね。
要注意!共用廊下側のお部屋
問題は、玄関横などの「共用廊下側」のお部屋です。昔のマンションは、廊下側にエアコンの室外機を置くことを想定していない設計が多く見られます。
室外機を置くスペースがない: 廊下は避難経路でもあるため、私物を置くことが禁止されているマンションがあります。
壁に穴がない: 室外機が置けないのであれば、当然、穴も開けられていません。
隠ぺい配管の有無: 壁の中に配管が埋め込まれている(隠ぺい配管)特殊なケースもありますが、古い物件では稀です。
内見の際は、廊下側の部屋の壁を隅々まで見てください。丸いキャップで塞がれた穴はありますか?すぐ近くにエアコン専用のコンセント(高い位置にあるコンセント)はありますか?これらがなければ、その部屋は「エアコン設置不可」の可能性が非常に高いです。
エアコン設置ができない部屋での対策
「このマンション、立地も間取りも最高!でも、寝室にしたい部屋にエアコンが付けられない…」そんな時、諦めるのはまだ早いです。確かに、そのままの状態で壁掛けエアコンを付けるのは無理かもしれませんが、いくつかの「回避策」が存在します。
もちろん、どの方法も追加の費用がかかったり、多少のデメリットがあったりしますが、お気に入りの物件を諦める前に検討する価値は十分にあります。
ここでは、本格的なリフォーム工事から、ちょっとした工夫、そして最終手段の家電製品まで、4つの解決策をご紹介します。それぞれのメリットとデメリットを天秤にかけて、あなたにとってベストな選択肢を探ってみましょう。
1. 先行配管(隠ぺい配管)のリフォームを行う
予算はかかりますが、最も根本的な解決策です。 エアコンを付けたい部屋から、バルコニーまで「配管の通り道」を無理やり作ってしまう工事です。
仕組み: 天井や壁の中に長い配管を這わせ、廊下側の部屋の熱をバルコニー側へ逃がします。排水(ドレン)は、近くのキッチンやトイレの排水管に接続する特殊な工事が必要になることもあります。
注意点: 構造上、天井を少し下げなければならなかったり、床に段差ができたりすることがあります。必ずリフォーム業者さんに同行してもらい、実現可能か調査してもらいましょう。
2. 間取りを変更して「1つの大きな空間」にする
「エアコンが付けられない部屋」の壁を壊して、隣の「エアコンがある部屋」と繋げてしまう方法です。
仕組み: 2LDKを広い1LDKにするイメージです。壁がなくなれば、リビングのエアコンの冷気が奥まで届くようになります。
活用例: 完全に壁をなくすのが不安なら、可動式のパーテーションや引き戸を設置しましょう。夜寝る時だけ開けておけば、リビングのエアコン1台で寝室まで冷やすことができます。
3. 室内用窓(デコマド)や欄間を設置する
壁を壊したくない場合の折衷案です。
仕組み: 隣の部屋との境界にある壁の高い位置に、開閉できる窓(室内窓)を取り付けます。
効果: 暖かい空気は上に溜まるため、高い位置に窓があると空気の循環が生まれやすくなります。サーキュレーターを併用すれば、意外と涼しく過ごせることもありますよ。
4. 最終手段!窓用エアコンを設置する
壁に穴を開けず、工事も不要で、自分で取り付けられるのが「窓用エアコン」です。
仕組み: 窓のサッシにはめ込むタイプのエアコンです。室外機と室内機が一体化しています。
メリット: マンションの規約で「共用部に室外機を置くのはダメ」と言われていても、窓の内側に収まるこのタイプならOKが出るケースが多いです。
デメリット:
騒音: 室外機が室内にあるようなものなので、結構音が大きいです。
防犯・気密性: 窓を少し開けた状態で固定するため、鍵の施錠に工夫が必要になり、隙間風も入りやすくなります。
見た目: 窓の半分が塞がるため、圧迫感があります。
まとめ
中古マンションのエアコン問題は、住んでからのQOL(生活の質)に直結します。「たかがエアコン」と思わず、内見の際には以下の3点を必ずチェックしてくださいね。
壁に配管用の穴(スリーブ)が開いているか?
エアコン専用のコンセントがあるか?
室外機を置くスペースが確保されているか?
もしこれらがなくても、リフォームや工夫次第で解決できることもあります。お気に入りの物件を見つけたら、まずは不動産会社の担当者に「この部屋にエアコンを付けるにはどうすればいいですか?」とストレートに聞いてみるのが一番の近道です。
納得のいく住まい選びができるよう、応援しています!
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