「賃貸の引っ越しシーズンは1〜4月」とよく言われますよね。
実際、街を歩いていても不動産会社の前に人が増えたり、内見予約が取りづらくなったりと、繁忙期の空気感は誰でも感じられるほどはっきりしています。
では、不動産を“購入”する場合はどうなのか?
ここが気になる方はとても多いです。
なにしろ、マンション購入は人生でもトップクラスの大きな買い物。
数千万円という金額が動くわけですから、できることなら「少しでも安い時期に買いたい」と思うのは当然のことです。
しかし、売買市場は賃貸とは違い、繁忙期・閑散期がそこまで明確ではありません。
そのため、時期によって価格が大きく変わるわけではないのですが、それでも“動きやすい月”や“狙い目の月”は確かに存在します。
この記事では、
に向けて、1月〜12月の市場の動きを、成約データと私自身の仲介経験を交えながら、わかりやすく解説していきます。
読み終える頃には、「自分はどの時期に動くべきか」が自然と見えてくるはずです。
ぜひ、購入計画の参考にしてみてください。
- これから中古マンション購入を検討している人
- なるべく安く購入したいと考えている人
- 1年通しての動きを知りたい人
まず最初に知っておいてほしいのは、賃貸と売買では市場の動き方がまったく違うということです。
賃貸は、進学・就職・転勤といった“生活の節目”に合わせて動く人が多いため、どうしても1〜4月に需要が集中します。
そのため、家賃が上がったり、良い物件がすぐ埋まったりと、繁忙期の影響が非常にわかりやすいのです。
一方で、売買は人生のイベントだけでなく、資産形成・住み替え・相続・投資など、動機が多岐にわたります。
そのため、1年を通して需要が分散しやすく、賃貸ほど“繁忙期の波”が大きくありません。
また、売買は「この物件が欲しい」と思ったら、同じものが二つとない“唯一の資産”です。
そのため、時期を待っている間に他の人に買われてしまうリスクもあります。
つまり、
「安い時期に買いたい」という気持ちは大切ですが、
“時期だけで判断しすぎると、むしろチャンスを逃す”
ということも覚えておく必要があります。
ここからは、実際の成約データをもとに、1年の動きを詳しく見ていきましょう。
1年を通した中古マンションの動きを解説
中古マンション市場の動きを知るうえで、もっとも参考になるのが「成約件数」と「㎡単価」です。
成約件数は“どれだけ取引が活発だったか”を示し、㎡単価は“価格の傾向”を示します。
この2つを合わせて見ることで、「どの時期に動きやすいのか」「どの時期が安いのか」が見えてきます。
今回は、東日本不動産流通機構(REINS)が公表している2024年のデータをもとに、月ごとの特徴を丁寧に解説していきます。
さらに、私自身が仲介の現場で感じてきた“リアルな体感”も交えながら、数字だけではわからない動きもお伝えします。
データと実体験の両方を知ることで、より立体的に市場を理解できるはずです。
それでは、1月から順番に見ていきましょう。
2024年成約データ 中古マンション
(公財)東日本不動産流通機構 令和7年1月度 月例速報マーケットウオッチ参照
中古マンション市場の動きを知るうえで参考になるのが、
**「成約件数」と「㎡単価」**です。
- 成約件数 → 取引がどれだけ活発だったか
- ㎡単価 → 価格の傾向
この2つを合わせて見ることで、
「どの時期に動きやすいのか」「どの時期が安いのか」
が見えてきます。
1月 2711件(成約数) 75.98万(㎡単価)
2月 3350件(成約数) 75.52万(㎡単価)
3月 3810件(成約数) 75.88万(㎡単価)
4月 3251件(成約数) 78.08万(㎡単価)
5月 2845件(成約数) 76.30万(㎡単価)
6月 3259件(成約数) 77.95万(㎡単価)
7月 3193件(成約数) 78.97万(㎡単価)
8月 2299件(成約数) 74.77万(㎡単価)
9月 3047件(成約数) 75.86万(㎡単価)
10月 3092件(成約数) 75.16万(㎡単価)
11月 3207件(成約数) 79.41万(㎡単価)
12月 3158件(成約数) 78.05万(㎡単価)
平均成約数 3102件
平均㎡単価 76.83万
1月 年明け直後で、まだエンジンがかかりにくい時期
年末年始の休みが明けたばかりで、
多くの人がまだ日常モードに戻りきれていない時期です。
そのため、市場の動きはやや鈍め。
成約件数は 2711件 と、年間平均を下回っています。
「今年こそ家を買おう」と考えている人も、
実際に動き出すのはもう少し先、という印象です。
2月 そろそろ動こうかな”とスイッチが入る月
2月になると、年明けスロースターターの人たちも動き始めます。
3〜4月に引っ越しをしたい人は、
2月中に売買契約を済ませる必要があるため、
この時期から一気に内見や問い合わせが増えてきます。
成約件数は 3350件 と、1月より約600件増加。
3月 春の陽気とともに、最も動きが活発になる
気温が上がり、外に出やすくなる3月。
内見がしやすく、気持ち的にも前向きになりやすい季節です。
そのため、成約件数は 3810件 と、
2024年で最も多い月となりました。
「春は動きやすい」というのは、データに表れています。
4月 GW前に契約をまとめたい動きが強まる
4月は気候も良く、外出しやすい季節。
ただし、GWに入ると一気に動きが止まるため、
不動産会社は4月中に契約をまとめようと積極的になります。
成約件数は 3251件 と、平均を上回る水準。
「GW前の駆け込み需要」が見られる月です。
5月 GWの影響で、物理的に動きが鈍る
5月は大型連休があるため、
内見も契約も物理的に進みにくい時期です。
そのため、成約件数は 2845件 と、3000件を下回りました。
市場としては一旦落ち着くタイミングです。
6月 夏前で動きやすく、成約数も回復
花粉も落ち着き、気温も安定している6月。
外に出やすく、内見もしやすい季節です。
成約件数は 3259件 と、平均を超える水準に回復。
「夏前に決めてしまいたい」という動きも見られます。
7月 暑さで内見は減るが、価格は高めに推移
暑さが本格化し、
「内見に行くのがちょっと億劫…」
という人が増える時期です。
それでも成約件数は 3193件 と平均以上。
さらに、㎡単価は 78.97万円 と高水準。
価格はむしろ上がりやすい傾向が見えました。
8月 1年で最も動きが鈍り、価格も下がりやすい
1年で最も暑く、お盆休みも重なる8月。
市場全体がスローペースになります。
成約件数は 2299件 と、年間で最も少ない数字。
㎡単価も 74.77万円 と、1年で最も低い水準です。
「安い時期に買いたい」人にとっては、狙い目になりやすい月。
ただし、毎年同じとは限らない点には注意が必要です。
9月 暑さは落ち着くが、8月の影響で動きは控えめ
9月は暑さが和らぐものの、
8月の低調さを引きずりやすい時期です。
成約件数は 3047件 と、平均を下回る水準。
「動き始める人もいるが、まだ本格化はしない」
そんな印象の月です。
10月 気候が良く、来春に向けて動き始める人が増える
涼しくなり、外出しやすい季節。
来年の3月までに引っ越したい人は、
このあたりから動き始めるとスケジュールに余裕が持てます。
成約件数は 3092件 と平均以下ですが、
「これから動きが増えていく前の静けさ」
といった雰囲気があります。
11月 来春の入学・転勤を見据え、動きが活発化
冬の気配が強まり、
「そろそろ来年の予定を固めたい」という人が増える時期。
成約件数は 3207件 と平均以上。
㎡単価は 79.41万円 と、2024年で最も高い水準になりました。
価格が上がりやすい月でもあります。
12月 年末前の駆け込みで、価格も成約数も高め
寒さが本格化する12月ですが、
11月の勢いを引き継ぎ、動きは活発なまま。
成約件数は 3158件。
㎡単価は 78.05万円 と、年間で2番目に高い水準です。
「年内に決めたい」という心理が働きやすい月です。
まとめ 年の中で安くなる時期は8月と判明
2024年のデータを見る限り、
最も安くなる傾向があるのは8月 でした。
- 成約数が最も少ない
- ㎡単価も最も低い
という2つの条件がそろっています。
ただし、これはあくまで2024年の傾向であり、
毎年必ず同じ動きになるわけではありません。
私の仲介経験でも、
7月〜8月はなんとなく“閑散期”に近い空気を感じることが多いですが、
市場は年によって変わるため、
「絶対に8月が安い」とは言い切れません。
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