中古マンションを購入するとき、「物件価格以外にいくら用意すればいいの?」という疑問を持つ方はとても多いです。正確な金額は物件価格・ローン借入額・条件によって変わりますが、目安としては物件価格の5〜8%を見ておく必要があります。
3,000万円の物件であれば、150万〜240万円の諸費用が別途かかる計算です。「頭金ゼロで買える」という言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、諸費用の現金は原則として別に準備が必要です。住宅ローンの審査については住宅ローンで落ちる理由とは?審査基準を全て解説もあわせてご確認ください。
この記事では、中古マンション購入でかかる諸費用の全項目を、仲介手数料を中心に計算方法つきで解説します。既存の中古マンション購入の諸費用と内容が近い部分もありますが、本記事では2026年時点の火災保険期間短縮や仲介手数料無料の落とし穴など、最新の実務視点を反映しています。
この記事で分かること
- 諸費用の全項目(仲介手数料・登記・ローン手数料・税金・保険等)
- 仲介手数料の法定上限と計算式
- 物件価格別の諸費用シミュレーション
- 諸費用を節約できるポイント
- 購入前に確認すべき資金計画
諸費用の全体像
中古マンション購入でかかる諸費用は、大きく4つのタイミングに分かれます。
| タイミング | 主な費用 |
|---|---|
| 申し込み〜売買契約 | 手付金(後に売買代金に充当)・印紙税 |
| 決済・引き渡し時 | 仲介手数料・登記費用・住宅ローン手数料・火災保険・固定資産税等の日割り精算 |
| 引き渡し後6ヶ月〜1年 | 不動産取得税 |
| 入居後 | 管理費・修繕積立金(月払い開始) |
特に「決済・引き渡し時」に費用が集中するため、この時点での現金の準備が重要です。内見段階から中古マンション内見チェックリスト38選で物件の状態を確認し、想定外の出費を減らすことも大切です。
各費用の内訳と目安
1. 仲介手数料(最大の費用)
仲介手数料は、不動産会社(仲介業者)に支払う報酬です。宅地建物取引業法で法定上限が定められています。
計算式
物件価格が400万円超の場合、実務でよく使われる計算式は「物件価格 × 3% + 6万円 + 消費税(10%)」です。
物件価格別の仲介手数料(上限)
| 物件価格 | 仲介手数料(税込) |
|---|---|
| 1,500万円 | 約56.1万円 |
| 2,000万円 | 約72.6万円 |
| 3,000万円 | 約105.6万円 |
| 4,000万円 | 約138.6万円 |
| 5,000万円 | 約171.6万円 |
仲介手数料の注意点
- 法定上限は「上限」であって「定価」ではありません
- 売主と買主の両方から上限まで受け取ることは原則禁止
- 「無料」をうたう会社は、別途の費用や売主側からの手数料で運営している場合があります
仲介手数料無料の不動産会社の選び方|からくりと注意点まとめで、無料の仕組みと選び方を詳しく解説しています。仲介手数料無料の落とし穴もあわせてご確認ください。
2. 登記費用
所有権の移転と、住宅ローンを組む場合の抵当権設定を登記します。
登録免許税
| 登記の種類 | 税率(軽減措置適用後の目安) |
|---|---|
| 所有権移転(建物) | 固定資産税評価額 × 0.3%(軽減適用時) |
| 所有権移転(土地) | 固定資産税評価額 × 1.5%(軽減適用時) |
| 抵当権設定 | 借入金額 × 0.1%(軽減適用時) |
司法書士報酬
登記手続きは通常、司法書士が代行します。報酬の相場は5万〜15万円程度です。自分で登記するリスクは中古マンション購入の登記を自分でやることの恐さも参考にしてください。
登記費用の目安(3,000万円・借入2,500万円の例):
| 項目 | 目安金額 |
|---|---|
| 建物の所有権移転登録免許税 | 1〜6万円程度 |
| 土地の所有権移転登録免許税 | 5〜20万円程度 |
| 抵当権設定登録免許税 | 約2.5万円 |
| 司法書士報酬 | 7〜12万円 |
| 合計目安 | 15〜40万円程度 |
3. 住宅ローン関連費用
① 事務手数料(融資手数料)
| タイプ | 金額 | 特徴 |
|---|---|---|
| 定率型 | 借入金額 × 2.2%(税込) | ネット銀行・都市銀行に多い |
| 定額型 | 3.3万〜5.5万円(税込)程度 | 地方銀行・信用金庫に多い |
例:借入2,500万円で定率2.2%の場合 → 55万円
金利タイプの選び方は変動金利と固定金利の違いも参考に、手数料と金利を合わせてトータル比較してください。
② 保証料
一括払い(借入時)の場合、2,500万円・35年で約50万円前後。金利上乗せ型(保証料0円)も増えています。
③ 団体信用生命保険(団信)
ほとんどの銀行では金利に含まれており、別途費用はかかりません。
④ 火災保険・地震保険
住宅ローンを利用する場合、火災保険の加入が必須です。
- 保険期間:最長5年(2022年法改正で10年→5年に短縮)
- 保険料の目安:マンション(RC造)は年間1〜3万円程度
- 地震保険は火災保険の30〜50%の保険金額で設定(任意)
5年ごとに更新が必要になるため、長期保有では更新費用も見込んでおきましょう。
4. 税金
① 印紙税(売買契約書)
| 物件価格 | 印紙税額(軽減税率適用) |
|---|---|
| 1,000万円超〜5,000万円以下 | 1万円 |
| 5,000万円超〜1億円以下 | 3万円 |
② 固定資産税・都市計画税の日割り精算
引き渡し日から年末までの固定資産税・都市計画税を、買主が売主に精算します。数万〜20万円程度が目安です。購入後の固定資産税の仕組みは別記事でも解説予定ですが、日割り精算は引き渡し時に必ず発生します。
③ 不動産取得税(引き渡し後6ヶ月〜1年後)
引き渡し時ではなく、後日都道府県から通知書が届く税金です。軽減措置を申告することで、建物分の税額が0円になることも多いです。
④ 消費税
中古マンション(個人売主)の場合、売買代金に消費税はかかりません。法人売主の場合は別途確認が必要です。中古マンションの購入で消費税はかかる?も参考にしてください。
5. 管理費・修繕積立金の日割り精算
引き渡し日から月末までの管理費・修繕積立金を、売主に精算します。通常は数千円〜数万円の範囲です。月々の管理費・修繕積立金は購入後も継続してかかる固定費です。修繕積立金の値上がりリスクは、購入前の重要事項説明書で長期修繕計画を必ず確認してください。
購入フローと諸費用が発生するタイミング
| ステップ | 時期 | 主な費用 | 目安 |
|---|---|---|---|
| 内見・物件決定 | 購入1〜3ヶ月前 | なし(交通費のみ) | — |
| 購入申し込み | 契約2週間前 | なし | — |
| 売買契約 | 契約日 | 手付金・印紙税 | 手付金100〜200万円・印紙税1万円 |
| 本審査〜決済準備 | 契約後1〜2ヶ月 | 火災保険見積・登記準備 | 数万円 |
| 決済・引き渡し | 決済日 | 仲介手数料・登記・ローン手数料・日割り精算 | 諸費用の大半がここで発生 |
| 入居後 | 6ヶ月〜1年後 | 不動産取得税 | 軽減措置で0円のことも |
決済日に必要な現金が足りないと、引き渡し自体が延期されるケースがあります。契約直後に不動産会社から「概算諸費用明細」を取り寄せ、手元資金と照合しておくことをおすすめします。中古マンション購入でよくある失敗・後悔50選でも、資金計画の不足は後悔の大きな原因として挙げられています。
諸費用の総額シミュレーション
物件価格・借入額ごとの諸費用の目安をまとめます(定率型手数料2.2%を想定)。
| 物件価格 | 借入額 | 諸費用の目安 | 諸費用率 |
|---|---|---|---|
| 2,000万円 | 1,800万円 | 130〜175万円 | 約6.5〜8.8% |
| 3,000万円 | 2,500万円 | 175〜240万円 | 約5.8〜8.0% |
| 4,000万円 | 3,500万円 | 225〜310万円 | 約5.6〜7.8% |
| 5,000万円 | 4,000万円 | 270〜375万円 | 約5.4〜7.5% |
3,000万円・借入2,500万円の内訳例
| 費用項目 | 金額目安 |
|---|---|
| 仲介手数料 | 約105.6万円 |
| 登記費用 | 約15〜40万円 |
| 住宅ローン事務手数料 | 約55万円 |
| 火災保険(初年度) | 1〜5万円 |
| 印紙税 | 1万円 |
| 固定資産税等の精算 | 数万〜20万円 |
| 合計目安 | 180〜230万円前後 |
現金で用意すべき金額の考え方
- 頭金 + 諸費用 = 購入時に必要な自己資金
- 諸費用はローンに組み込めない場合が多い
- 諸費用 + 引っ越し・リフォーム費用分を別途確保するのが安全
本審査で否決になった場合の手付金返還の流れは、ローン特約の条項確認が重要です。審査全般は住宅ローンで落ちる理由とは?審査基準を全て解説、仮審査の通過確率は住宅ローン仮審査が通れば本審査通る確率をご覧ください。
諸費用を節約できる3つのポイント
① 住宅ローンの手数料型を選ぶ
定率型(借入額の2.2%)は金額が大きくなりがちです。定額型の手数料を設定している金融機関を選ぶことで、数十万円の差が出ることもあります。手数料と金利を合わせてトータルで比較することが重要です。
② 火災保険を複数社で比較する
銀行や不動産会社の紹介だけで決めず、一括見積もりサービスを使って複数社を比較することをおすすめします。
③ 仲介手数料無料の「からくり」を理解する
無料表示でも、売主側から手数料を受け取る・別名目の費用があるケースがあります。仲介手数料無料の不動産会社の選び方で仕組みを確認してから契約しましょう。
よくある疑問(FAQ)
Q1. 諸費用はローンに含められますか?
原則として通常の住宅ローンには含められませんが、「諸費用ローン」を扱う金融機関もあります。可能な限り現金で用意することを推奨します。
Q2. 仲介手数料はいつ支払うのですか?
一般的には「売買契約時に半額、引き渡し時に残り半額」が慣習です。契約前に不動産会社へ確認してください。
Q3. リノベーション済みマンションは諸費用が変わりますか?
物件価格が上がれば仲介手数料も増えます。内装費用がローンに組み込まれているかどうかも確認が必要です。中古マンションのリノベ済みを買うのと自分でリノベするのはどっちが得?も参考にしてください。
Q4. 売主直売なら仲介手数料はかかりませんか?
売主が不動産会社の場合、その会社との直接取引では仲介手数料がかかりません。ただし、買主側の利益を守る担当者がいないリスクもあります。不動産会社の選び方を参考にしてください。
Q5. 諸費用5%と8%の差は何で決まりますか?
主に住宅ローンの手数料型(定率か定額か)、登記の土地評価額、火災保険の内容、固定資産税の精算時期で変動します。
Q6. 頭金0円でも諸費用は必要ですか?
はい。フルローンで物件代金を借りられても、諸費用分の現金は別途必要になるケースがほとんどです。
まとめ
中古マンション購入の諸費用を整理します。
| 費用項目 | 金額目安(3,000万円・借入2,500万円の例) |
|---|---|
| 仲介手数料 | 約105.6万円 |
| 登記費用(登録免許税+司法書士) | 約15〜40万円 |
| 住宅ローン事務手数料 | 約55万円(定率2.2%の場合) |
| 火災保険(初年度) | 1〜5万円 |
| 印紙税 | 1万円 |
| 固定資産税等の精算 | 数万〜20万円 |
| 合計目安 | 180〜230万円前後(物件価格の約6〜8%) |
物件価格の5〜8%を諸費用として別途用意しておくことが基本です。引っ越し費用やリフォーム費用まで含めると、さらに上乗せが必要になります。
事前に諸費用の見積もりを担当者から取り寄せ、どのタイミングでいくら必要かを把握したうえで資金計画を立ててください。中古マンション購入の諸費用(既存解説)と仲介手数料無料の選び方も合わせてご確認ください。















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