中古マンションの住宅ローン控除|最大140万円戻る仕組みと申請方法を完全解説


中古マンションを購入した後、「住宅ローン控除って何?いくら戻ってくるの?」という疑問を持つ方は非常に多いです。

住宅ローン控除(正式名称:住宅借入金等特別控除)は、年間最大14万円が税金から戻ってくる制度で、10年間で最大140万円の節税効果があります。中古マンション購入者なら全員が検討すべき制度ですが、「申請が難しそう」「自分が対象になるかわからない」という声もよく聞きます。

この記事では、中古マンション購入に特有の条件を含めて、仕組み・計算方法・申請手順をわかりやすく解説します。


こんな人におすすめ

  • 中古マンションの購入を検討しており、住宅ローン控除を初めて知った
  • 実際にいくら戻ってくるか、自分のケースで計算したい
  • 確定申告や年末調整で何をすればいいかを知りたい
  • 中古マンションで控除を受けるための条件を把握したい

目次

住宅ローン控除とは何か

住宅ローン控除とは、住宅ローンを使って自宅を購入または取得した人が、一定期間にわたって所得税(と一部住民税)から控除を受けられる制度です。購入時に届く[不動産取得税の軽減申告](#)とは別の手続きですので、混同しないようにしてください。

2022年の税制改正以降、控除率は年末ローン残高の0.7%です。この0.7%が毎年の所得税から直接差し引かれます。ローン審査のポイントは住宅ローンで落ちる理由とは?を、金利の選び方は変動金利と固定金利の違いを参照してください。

「控除」とは何か

節税には「控除」と「減税」という言葉が使われますが、住宅ローン控除は「税額控除」です。所得税の計算後、最終的な税額から直接引いてくれる仕組みなので、節税効果が非常に強いのが特徴です。「所得控除」(課税所得を減らす)とは別物で、より直接的に税金が減ります。



中古マンションの住宅ローン控除 概要一覧

項目内容(2022年以降入居・2025年12月まで)
控除率年末ローン残高の 0.7%
控除期間10年間(中古住宅)
借入限度額(省エネ基準適合住宅)3,000万円
借入限度額(一般の中古住宅)2,000万円
最大控除額(一般中古)2,000万円×0.7%×10年=140万円
最大控除額(省エネ中古)3,000万円×0.7%×10年=210万円
所得要件合計所得金額2,000万円以下
床面積要件50㎡以上(所得1,000万円以下なら40㎡以上)
自己居住要件取得から6か月以内に入居し、控除を受ける年の12/31まで居住
申告方法初年度:確定申告 / 2年目以降:年末調整(給与所得者の場合)


中古マンションが住宅ローン控除を受けるための条件

中古マンションには、新築住宅にはない耐震・建物要件があります。ここを知らずに購入してしまうと、控除を受けられないケースがあります。

耐震基準を満たすこと

以下のいずれかを満たす必要があります。

① 1982年(昭和57年)1月1日以降に建築された物件

登記上の「建築日」が1982年以降であれば、新耐震基準を満たしているものとして扱われ、原則として控除を受けられます。

② 1981年以前の建築でも「耐震基準適合証明書」を取得済みの物件

旧耐震基準(1981年以前)の物件でも、耐震診断・改修を行い「耐震基準適合証明書」を取得していれば対象になります。ただし、この証明書は引き渡し前に取得する必要があります。

③ 既存住宅売買瑕疵保険に加入している物件

既存住宅売買瑕疵保険(住宅かし保険)に加入していれば、旧耐震でも対象になります。

> 実務的なポイント:1981年以前の築年の物件を検討している場合は、契約前に耐震基準の確認が必須です。「1982年以降だから大丈夫」と思っていても、登記上の建築日と実際の完成年月がずれるケースもあるため、必ず登記簿謄本で確認してください。[中古マンション内見チェックリスト30の確認ポイント](#)でも、設備・管理書類の確認項目を一覧にしています。



実際いくら戻ってくるか?計算方法

基本の計算式

その年の控除額 = 年末時点の住宅ローン残高 × 0.7%
(ただし借入限度額を超える部分は対象外)

ただし、控除額は「その年に払った所得税額」が上限です。所得税を超えた部分は住民税から一部控除されますが、住民税からの控除には上限(97,500円/年)があります。

具体例①:借入3,500万円・年収600万円の場合

年末残高(概算)控除額(0.7%)控除対象上限(2,000万円)
1年目3,420万円23.9万円14.0万円 ← 上限あり
3年目3,250万円22.8万円14.0万円
5年目3,080万円21.6万円14.0万円
10年目2,650万円18.6万円14.0万円

この場合、毎年14万円(=2,000万円×0.7%)が控除され、10年間で140万円の節税になります。ただし、実際に支払っている所得税が14万円未満の場合は、その年の所得税額が上限になります。中古マンション購入の諸費用で試算した月々の返済額とあわせて、手取りベースで家計シミュレーションをすると現実的です。

具体例②:借入1,800万円・年収450万円の場合

年末残高(概算)控除額(0.7%)
1年目1,760万円12.3万円
5年目1,620万円11.3万円
10年目1,440万円10.1万円

この場合は借入限度額(2,000万円)を下回っているため、残高全額が対象。10年間の合計は概算で113万円程度になります。



住民税からの控除について

所得税から引ききれなかった分は、翌年の住民税から控除されます。ただし、住民税からの控除には上限が97,500円(年間)あります。

所得税額が少ない方(年収が低め・扶養控除・医療費控除などで所得税がほぼゼロになっている方)は、控除の恩恵が小さくなることがあります。住民税からの控除上限を把握した上で、実際の節税効果を確認しておきましょう。



申請手順:初年度は確定申告が必須

初年度(購入した年の翌年):確定申告

給与所得者(会社員)でも、住宅ローン控除の初年度は必ず確定申告が必要です。

確定申告の時期: 翌年2月16日〜3月15日(毎年)

必要書類:

書類名入手先
確定申告書(第一表・第二表)税務署 or 国税庁ウェブサイト
住宅借入金等特別控除額の計算明細書税務署 or 国税庁ウェブサイト
住宅ローンの年末残高証明書借入している金融機関から郵送
建物・土地の登記事項証明書法務局(オンライン申請も可)
売買契約書のコピー自分で保管しているもの
源泉徴収票勤務先から年末に発行
マイナンバーカードまたは本人確認書類自分で準備

> 旧耐震基準の物件の場合: 耐震基準適合証明書または既存住宅売買瑕疵保険の保険証書も必要です。

確定申告はe-Taxがおすすめ:国税庁の確定申告書等作成コーナーから、画面の案内に従って入力するだけで申告書が作れます。マイナンバーカードとスマートフォンがあればオンラインで完結します。税務署に行く必要はありません。不動産取得税の申告と並行する場合は[中古マンションの不動産取得税|軽減措置で税額0円になる計算方法](#)もあわせてスケジュール管理してください。


2年目以降(給与所得者):年末調整で完結

会社員の場合、2年目以降は確定申告が不要で、年末調整で控除を受けられます

毎年10〜11月ごろ、会社から「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」が配布されます。これに必要事項を記入して提出するだけで、年末調整の際に自動的に控除が反映されます。

年末調整で必要なもの:

  • 給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書(税務署から初年度の確定申告後に複数年分がまとめて送られてきます)
  • 住宅ローンの年末残高証明書(金融機関から毎年郵送)

この2点を毎年会社に提出するだけです。初年度さえ乗り越えれば、2年目以降は非常に簡単です。



よくある疑問Q&A

Q. ローンを繰り上げ返済すると控除はどうなる?

繰り上げ返済で残高が減れば、その分だけ控除額も減ります。ただし控除期間の10年中に繰り上げて残高が0になると控除が終了します。「繰り上げ返済のタイミング」は控除期間終了後が節税効果を最大化しやすいですが、支払利息との兼ね合いで個別に判断が必要です。

Q. ペアローンの場合は?

夫婦でそれぞれ住宅ローンを組むペアローンの場合、各自がそれぞれの借入残高に対して控除を受けられます。2人分の控除額の合算になるため、節税効果が2倍になります。ただし、それぞれが確定申告(初年度)・年末調整(2年目以降)を行う必要があります。

Q. 転勤で一時的に住めなくなったら?

単身赴任などで一時的に居住しなくなった場合、その年の控除は受けられません。ただし、再び居住を再開した場合は残りの期間について控除が復活します。賃貸に出した場合は、居住しない期間は控除が止まります。

Q. リノベーション費用も含められる?

物件購入と同時にリノベーション費用も住宅ローンに含めた場合(一体型ローン)、その合算残高が控除の計算対象になります。ただし、対応している金融機関は限られるため、事前に確認が必要です。

Q. 控除を受けるのを忘れていた年は?

5年以内であれば「更正の請求」で遡って申告できます。税務署に相談してみてください。



住宅ローン控除を受ける前に確認しておきたいこと

所得制限に注意

合計所得金額が2,000万円を超える年は、その年の住宅ローン控除を受けられません。常に同額の控除を受けられるわけではなく、高収入の年は対象外になる点を頭に入れておきましょう。住宅ローン仮審査が通れば本審査通る確率はどれほどか?とあわせて、購入前の資金計画を立てておくと安心です。

住宅ローン控除と他の控除との関係

住宅ローン控除を使った後、所得税がゼロになる場合、他の控除(医療費控除など)との組み合わせ方によっては、節税効果が重複して活かせないケースがあります。ふるさと納税と住宅ローン控除を両立させる「ワンストップ特例の注意点」なども理解しておくと安心です。


まとめ

中古マンション購入後に受けられる住宅ローン控除のポイントを整理します。

  • 控除率は年末残高の0.7%で、中古住宅は10年間適用される
  • 一般の中古住宅の借入限度額は2,000万円、最大で140万円の節税効果
  • 中古マンションは1982年以降築(または耐震基準適合証明書あり)が条件
  • 初年度は必ず確定申告が必要。2年目以降は年末調整で完結
  • 年末残高証明書と申告書(2年目以降は会社経由)の管理が実務上のポイント

住宅ローン控除は、中古マンション購入者が確実に受けておくべき制度です。申請を忘れると、受け取れたはずの数十万円〜140万円が戻ってきません。初年度の確定申告だけは、購入翌年の2〜3月を忘れずにスケジュールに入れておきましょう。初心者に読んでほしい!住宅ローン・銀行の選び方仲介手数料無料の不動産会社の選び方で、購入プロセス全体を整理してから申告準備に入るとスムーズです。


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この記事を書いた人

不動産を愛しています。売買不動産歴10年以上、法人営業、個人営業を経験。売却査定数は5000件以上、内見数は1000件以上、取引数は500件以上、リノベーション件数300件、顧客満足な案件も、訴訟レベルのトラブル案件も経験してきました。不動産購入を検討している人やリノベーションを検討している人、不動産関係者に有益な情報を提供していきます。

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