江東区の中古マンション、どの町を選ぶべきか?成約データから読み解くエリア別攻略ガイド

江東区で中古マンションを探しているとき、こんな悩みを抱えていませんか?

「豊洲と亀戸って、どのくらい価格が違うの?」「湾岸エリアと下町エリア、結局どっちがお得?」「江東区って広すぎてどこから絞ればいいかわからない」

江東区は東京23区の中でも特殊な構造を持つ区です。湾岸の新興タワーマンション街から、下町の中小型マンションが密集するエリアまで、区内に複数の「顔」が共存しています。区名だけで相場を語ることがほとんど意味をなさないエリアでもあります。

この記事では、東日本レインズが管理する2025年1月〜12月の成約データをもとに、江東区全町名の成約価格を「エリアのキャラクター」別に整理し、どの町名がどんな人に向いているかを実践的な視点で解説します。単なる価格表ではなく、「自分がどの町名を狙うべきか」が見えてくる記事です。


こんな人におすすめ

  • 江東区で中古マンションの購入を検討しているが、エリアをまだ絞り切れていない
  • 豊洲・有明などの湾岸エリアと、亀戸・大島などの内陸エリアで迷っている
  • 成約価格(実際に売れた価格)をベースに予算を組みたい
  • 「相場より割安な町名」を探したい

目次

江東区の2025年成約データ:町名別一覧

まず全体の数字を確認します。データはすべて東日本レインズの2025年(令和7年)1月1日〜12月31日の成約事例から集計したものです。

町名成約件数平均成約価格
豊洲318件13,515万円
有明214件10,707万円
白河53件10,282万円
扇橋41件8,498万円
越中島25件7,768万円
福住4件7,513万円
平野16件7,210万円
猿江20件7,270万円
塩浜44件6,998万円
辰巳20件6,845万円
新大橋40件6,690万円
千石27件6,428万円
古石場10件6,485万円
木場29件6,162万円
東陽112件6,158万円
佐賀16件6,176万円
潮見16件6,069万円
枝川30件6,212万円
三好11件5,715万円
永代7件5,747万円
北砂61件5,003万円
南砂112件5,265万円
東砂112件4,878万円
冬木9件5,415万円
亀戸189件5,299万円
森下19件4,925万円
毛利21件4,930万円
深川12件4,277万円
富岡21件4,486万円
牡丹11件4,247万円
常盤3件2,757万円
青海0件
新木場0件
千田0件
海辺0件

江東区全体のまとめ(2025年)

  • 年間総成約件数:約1,600件超
  • 最高平均価格:豊洲(13,515万円)
  • 最低平均価格(件数ありの町):常盤(2,757万円)
  • 価格差:最大で約1億円超の開き


江東区を「3つのゾーン」で読み解く

江東区の価格差があまりに大きいのは、区内に性質の異なる複数のエリアが混在しているからです。数字を正確に読むために、まずエリアを「ゾーン」で分けて理解することが重要です。

ゾーン①:湾岸タワーマンションゾーン(豊洲・有明・辰巳・青海)

平均価格の上位を占めるのは、ほぼすべてこのゾーンの町名です。豊洲(13,515万円)・有明(10,707万円)はその代表例です。

このゾーンの特徴は「規模が大きいマンションが多い」こと。大型タワーマンションが1棟売り出されるだけで数十件の成約データが積み上がり、高単価物件が平均を押し上げます。2025年の豊洲は318件という圧倒的な成約件数を記録しており、これは江東区内で他の追随を許さない取引量です。

注意したいのは、このゾーンの価格は「専有面積が大きい物件が多い」ため、1㎡あたりの単価でみると見え方が変わることです。また、管理費・修繕積立金がほかのエリアより高い傾向があり、月々のランニングコストを含めた総合計算が必要です。

こんな人に向くゾーン: 利便性・ブランド力・資産流動性を重視する人。将来的な売却・賃貸転用を想定している人。

ゾーン②:清澄白河・木場・東陽町ゾーン(白河・木場・東陽・佐賀・冬木・富岡・永代・古石場・三好など)

平均価格は6,000〜10,000万円台と幅がありますが、「利便性と生活感のバランス」が取れているゾーンです。白河(清澄白河)は平均10,282万円と高いですが、これはおしゃれなカフェ・文化施設が集まる人気エリアとしての需要が反映されています。

木場・東陽(東陽町)は件数も多く成約が安定しており、ファミリー層を中心に根強い人気があります。都心へのアクセス(地下鉄東西線・有楽町線)の良さと、比較的落ち着いた住環境のバランスが評価されています。

こんな人に向くゾーン: 湾岸タワーの価格帯に手が届きにくい、でも利便性は妥協したくない人。子育て世帯でゆとりある間取りを求める人。

ゾーン③:北砂・南砂・東砂・亀戸ゾーン(いわゆる「砂エリア」と亀戸)

平均価格が4,000〜5,300万円台に収まるこのゾーンは、江東区内では「値ごろ感のあるエリア」として位置づけられます。南砂・東砂はそれぞれ112件という大きな成約件数を誇り、流通量が多いことは選択肢の豊富さを意味します。

亀戸(189件)は区内で最も取引が活発な町名のひとつ。JR総武線・東武亀戸線の2路線が使える利便性と、商店街の生活利便性が評価されており、単身〜ファミリーまで幅広い需要層が存在します。平均5,299万円という価格は、成約件数の多さ(混在する物件タイプの幅広さ)を反映した結果です。

こんな人に向くゾーン: 予算をできるだけ抑えたい人。「江東区のアドレスで実用的な住まい」を求める人。下町の生活感を好む人。



「平均価格」が高くても割安な物件は存在する

価格表を見て「豊洲は高すぎる」と思った方へ、少し視点を変える話をします。

豊洲の平均成約価格は13,515万円ですが、これはあくまで取引全体の平均です。318件の取引の中には、古い物件・低層階・コンパクトな間取りの物件も当然含まれます。平均価格はエリアの「重心」を示すものであって、「その価格でないと買えない」ということではありません。

逆に、平均価格が低いゾーンの町でも、大規模リノベーション済みの物件や希少な低層マンションは平均を大きく上回ることがあります。

価格の「妥当性」を判断するには、以下の条件を必ず確認することが重要です。

専有面積(㎡単価で比較) 同じ町名でも、20㎡台のコンパクト住戸と80㎡超のファミリー向けでは価格が全く異なります。面積単価に換算すると、エリア間の本当の割高・割安感が見えやすくなります。

築年数と耐震基準 1981年以前の旧耐震基準物件は、価格が抑えられている一方で、住宅ローンの利用に制限がかかる金融機関もあります。特に湾岸・砂エリアには液状化リスクの観点から地盤を気にする購入者もおり、築年数と建築地盤の両方を確認する習慣をつけてください。

管理費・修繕積立金の合計額 タワーマンションは管理費が月3〜5万円、修繕積立金が月2〜3万円というケースも珍しくなく、合計で月7〜8万円の固定費が発生することがあります。購入価格だけでなく、毎月のコストで比較することが大切です。



江東区の「狙い目」はどこか

「割安感があり、かつ今後の資産価値に期待できる」という観点で見たとき、データから浮かび上がるのは以下のような町名です。

亀戸 は2路線利用可能・商業施設充実・成約件数189件という流動性の高さにもかかわらず、平均5,299万円と湾岸エリアより約8,000万円以上安い水準です。転売や賃貸転用のしやすさも相対的に高く、「使いやすい資産」として評価できます。

東陽(東陽町) は112件の成約がある活発なエリアで、東西線という都心直結路線の恩恵を受けながら平均6,158万円。清澄白河・木場エリアと価格が近接していながら、流通量が多く選択肢が豊富です。

南砂・北砂 は平均5,000〜5,300万円台で、流通量も多い(南砂112件・北砂61件)。「砂エリア」はかつて割安なエリアとして知られていましたが、都市計画道路の整備や商業施設の充実によって生活環境が改善されており、長期的な相場の下支え要因が揃いつつあります。



江東区で中古マンションを買う際の予算の考え方

まず「どのゾーンを狙うか」で予算の前提が変わる

江東区の場合、ゾーンによって価格の前提がまったく異なります。湾岸タワーを狙うなら最低でも6,000〜8,000万円以上の予算感が必要になることが多く、砂エリアや亀戸なら4,000〜5,000万円台での購入が現実的です。「江東区で探す」という決断だけでは予算が定まらず、「どのゾーンで探すか」まで絞ることで、初めて具体的な数字が見えてきます。

諸費用は物件価格の6〜8%を見込む

中古マンションの購入には、物件価格とは別に仲介手数料・登記費用・住宅ローン関連費用・火災保険・固定資産税精算金などが発生します。5,000万円の物件であれば300〜400万円程度、8,000万円の物件であれば480〜640万円程度が目安です。この金額を手元に確保した上で、物件価格の予算を決めることが鉄則です。

タワーマンションはランニングコストの試算を忘れない

豊洲・有明のタワーマンションを検討する場合、管理費・修繕積立金の月額合計が5〜10万円程度かかるケースがあります。住宅ローンの月返済額と合算した「月々の総負担額」で家計に収まるかを必ず確認してください。返済だけ見て購入を決めると、毎月の固定費で家計が圧迫されるリスクがあります。



まとめ

今回は、2025年の東日本レインズ成約データをもとに、江東区の中古マンションをエリアのキャラクター別に整理し、「どの町名を選ぶべきか」という実践的な視点でお伝えしました。

ポイントを整理すると、江東区は「湾岸タワーゾーン」「清澄白河・木場ゾーン」「砂・亀戸ゾーン」の3つに大別され、ゾーンによって平均価格・物件の性格・ターゲット層が大きく異なります。豊洲の13,515万円から常盤の2,757万円まで、区内に約1億円超の価格差が存在するため、「江東区」という括りだけで相場を語ることには無理があります。

自分の予算と生活スタイルに合ったゾーンを先に決め、そのゾーン内で条件(㎡単価・築年数・管理状態・ランニングコスト)を比較することが、江東区で中古マンションを賢く選ぶための基本的なアプローチです。

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この記事を書いた人

不動産を愛しています。売買不動産歴10年以上、法人営業、個人営業を経験。売却査定数は5000件以上、内見数は1000件以上、取引数は500件以上、リノベーション件数300件、顧客満足な案件も、訴訟レベルのトラブル案件も経験してきました。不動産購入を検討している人やリノベーションを検討している人、不動産関係者に有益な情報を提供していきます。

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