中古マンションを探していると、必ずと言っていいほど出てくるのが「リノベ済み物件」です。
ピカピカのキッチン、おしゃれなフローリング、新品のユニットバス。内見した瞬間に「ここだ!」と感じる人も多いはずです。
でも、こんな声もよく聞きます。
「リノベ済みって、割高なんじゃないですか?」 「自分でリノベした方が安くなるって聞いたんですけど、本当ですか?」
結論から言うと、どちらが得かは「物件の価格設定」と「あなたの状況」によって大きく変わります。一概に「リノベ済みが割高」とも、「自分でリノベが安い」とも言い切れないのが正直なところです。
私はこれまで、買取専門の不動産会社と仲介会社の両方に在籍していた経験があります。買取専門会社では、売主から物件を安く仕入れてリノベして販売するという、まさにリノベ済み物件を生み出す側にいました。その経験から言えることは、「リノベ済み物件の価格の裏側を知らないまま買うのは、少しもったいない」ということです。
この記事では、リノベ済み物件がどういう仕組みで市場に出てくるのか、自分でリノベする場合との費用差はどれくらいなのか、そしてそれぞれの本当のメリット・デメリットを、現場で見てきたリアルな視点でお伝えします。
読み終えた頃には「自分はどちらを選ぶべきか」がかなりクリアになるはずです。ぜひ最後まで読んでみてください。
💡中古マンション購入でよくある失敗・後悔50選|不動産屋が教える買ってはいけない物件
- これから中古マンション購入を検討している人
- リノベーション済み物件を買うのと自分でリノベーションをするのでどちらが得なのか知りたい
- リノベーションの裏側を知りたい
リノベ済みと自分でリノベする場合の流れ
まず大前提として、リノベ済み物件と自分でリノベする物件では、そもそも「販売されるまでの流れ」がまったく違います。
この流れを知らないまま価格だけを比較すると、「なんとなく高い気がする」「なんとなく安い気がする」という感覚だけで判断することになってしまいます。
それぞれの流れを一度きちんと整理しておきましょう。知っているだけで、不動産屋との交渉でも一歩リードできます。
リノベ済み物件はどのような流れで市場に販売されるのか
- 売主が所有している物件の売却を検討
- 不動産会社に相談
- 不動産会社から買取専門の不動産会社に情報を流し買取価格を出す
- 買取専門の不動産会社が内見する
- 買取専門会社の購入申し込みが入る
- 売買契約をする
- 不動産決済をする
- 再販売開始(リノベーションしていない状態で販売を開始する)
- リノベーションを実施する(約1か月半)
買取専門会社の買取価格は市場価格より安い
ポイントとして、買取専門の不動産会社が買い取る場合には、再販売を目的に購入するため、そもそもの買取価格が一般販売価格より安くなります。
当然、売主もそれを理解して販売します。
相場が1,000万円の物件だとしたら、買取専門の不動産会社が買う価格は500万円以下になるでしょう。
実際の販売価格は相場に近い価格
例えば500万円で買い取った場合、フルリノベーションを600万円かけて販売する場合、その他の経費や利益を確保すると、1,500万円くらいの再販価格になるでしょう。
リノベーション代はのっかった上での販売と言えますね。
自分でリノベをする場合の流れとは
- 売主が所有している物件の売却を検討
- 不動産会社に相談
- SUUMO等に登録して販売開始をする
違いは明かですね。リノベ済み物件の販売の流れと比較して、3から9が全て無しで販売開始をしています。
一般価格での販売になる
一般販売価格は、通常は売り出し価格は強気の価格設定にしがちです。
相場が1,000万円のところ、1,200万円くらいで販売開始をします。
リノベ済みVS自分でリノベの価格差とは?
費用を徹底的に比較
| 例① | リノベ済み | 自分でリノベ |
|---|---|---|
| 販売価格 | 2,000万円(1,000万円で仕入れ) | 1,700万円 |
| リノベ費用 | 0万円 | 1,000万円 |
| 仲介手数料 | 無料になる可能性有 | 62.7万円 |
| 選べる銀行 | 多数有 | リノベ分も借りられる銀行に限定 |
| 合計費用 | 2,000万円 | 2762.7万円 |
| 例② | リノベ済み | 自分でリノベ |
|---|---|---|
| 販売価格 | 4,000万円(2,700万円で仕入れ) | 3,600万円 |
| リノベ費用 | 0万円 | 1,200万円 |
| 仲介手数料 | 無料になる可能性有 | 125.4万円 |
| 選べる銀行 | 多数有 | リノベ分も借りられる銀行に限定 |
| 合計費用 | 4,000万円 | 4925.4万円 |
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「自分でリノベが安い」はなぜ広まったのか
この結果を見ると、「リノベ済みが割高」という話はどこから来たのか、疑問に思う人もいるでしょう。
実は、「リノベ済みが割高」というケースも確かに存在します。買取専門会社が強気な利益を乗せすぎている場合や、エリアの相場を無視した価格設定がされている物件では、リノベ済みの方が明らかに高くなることもあります。
また、自分でリノベする場合でも、価格交渉がうまくいって物件を安く買えたり、リノベの費用を抑えられたりするケースでは、総コストが下がることもあります。
大切なのは「リノベ済みだから割高」「自分でリノベだから安い」という思い込みで判断しないこと。個別の物件ごとに数字を出して比較することが、後悔しない選択につながります(中古マンションでリフォーム済物件はすぐに住める メリットとデメリット)。
住宅ローンの選択肢にも差が出る
費用の比較でもう一つ見落としてほしくないのが、住宅ローンの選択肢の違いです。
リノベ済み物件を購入する場合、通常の住宅ローンを使えます。取り扱っている銀行も多く、金利や条件を比較しながら選ぶことができます。
一方、自分でリノベする場合は、物件購入費用だけでなくリノベ費用も合わせて借りる必要があります。この「物件+リノベを一括で借りられる住宅ローン」は、取り扱っている銀行が限られています。選択肢が絞られることで、金利条件が思ったより良くないという事態も起こりえます。
事前にどの銀行が対応しているかを調べておくことが重要です。
それぞれのメリットとデメリット
リノベ済み物件のメリットとデメリット
メリット
デメリット
注意点の解説はこちら:中古マンションでリフォーム済み物件を購入する際の注意点を徹底的に解説
自分でリノベのメリットとデメリット
メリット
- 自分の好きな間取りやデザインにすることができる
デメリット
- コスパが悪い
- リノベ価格を販売価格に乗っけた販売は難しい
- 自分でリノベはトラブルが多い
中古マンションを買ってリノベーションする際の注意点 失敗しない方法 徹底解説
まとめ
リノベ済みと自分でリノベ、どちらが得かという問いに対する答えは、「費用だけで見ると、多くのケースでリノベ済みの方がトータルコストが低い」ということです。
ただし、これはあくまでも「価格設定が適正な物件」を前提にした話です。リノベ済みでも相場を大幅に超えた価格設定の物件は存在しますし、自分でリノベでも、交渉次第で物件を安く買えて、リノベ費用も抑えられるケースもあります。
大切なのは、「リノベ済みだから得」「自分でリノベだから損」という思い込みを捨てて、個別の物件ごとに数字を比較することです。同エリアの相場を調べた上で、リノベ済みの販売価格が適正かどうかを判断する目を持つことが、中古マンション購入で後悔しないための第一歩です。
また、費用以外の観点、つまり「いつ住みたいか」「どんな家に住みたいか」「どれだけ手間をかけられるか」という視点も、同じくらい大切にしてください。家は長く住む場所です。コストだけで選んで「思っていた家と違った」と感じるより、自分の価値観に合った選択をした方が、長い目で見て満足度は高くなります。










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