マンション購入を検討していると、「リフォーム済み」「リノベーション済み」という言葉をよく目にしますよね。 見た目が綺麗で、すぐに住めて、設備も新しくて、なんだか“お得そう”に感じる人も多いはずです。
ただ、実際には「リフォーム済みだから安心」とは限りません。 むしろ、リフォーム済みだからこそ、購入前にしっかり確認しておかないと後悔につながるポイントがいくつもあります。
私はこれまで、
リフォーム済み物件を販売する“売主側”
リフォーム済み物件にお客様を案内する“仲介側”
リフォーム前物件を買ってリノベーションする“ワンストップサービス側”
このすべての立場で仕事をしてきました。 だからこそ、表からは見えない“裏側”も含めて、リフォーム済み物件の注意点を誰よりもリアルにお伝えできます。
この記事では、あなたが後悔しないために、リフォーム済み物件を購入する際に必ず知っておくべきポイントを徹底的に解説します。 これからマンション購入を考えている人にとって、きっと役立つ内容になるはずです。
リフォーム済み物件を購入する際の注意点6選
フルリフォームなのか、一部リフォームなのか
リフォーム済み物件を見ると、どの部屋も綺麗で、まるで新築のように感じることがありますよね。 しかし、見た目が綺麗だからといって「全部新品に交換されている」と思い込むのは危険です。 実は、リフォーム済み物件の多くは“フルリフォーム”ではなく、“部分的なリフォーム”にとどまっていることが少なくありません。
例えば、
浴室は既存利用
床は張り替えではなく上張り
扉は交換ではなくシート張り
こうした施工は見た目は綺麗ですが、耐久性や将来の不具合につながる可能性があります。
特に床の上張りは、床鳴りの原因になることもあります。 扉のシート張りは、数年後に剥がれてくることもあります。
「既存利用が嫌だ」「どうせなら全部新品がいい」という人は、必ず“フルリフォーム”と明記された物件を選ぶようにしましょう。
リノベーション済み物件のメリットとデメリット:中古マンションでリフォーム済物件はすぐに住める メリットとデメリット – ミクロ不動産
排水管は交換していないことが多い
リフォーム済み物件を見ていると、キッチンや浴室、洗面台などの設備が新品になっていることが多いですよね。 そのため、「水回りは全部新しくなっている」と思いがちですが、実は大きな落とし穴があります。
それが“排水管”です。
排水管は壁の中や床下に隠れているため、見た目では判断できません。 しかし、築年数が古いマンションでは、排水管の劣化がトラブルの原因になることが多く、交換されていない場合は注意が必要です。
排水管は劣化すると、
水漏れ
詰まり
異臭
などのトラブルにつながります。
排水管交換は大掛かりな工事になるため、売主がコストを抑えるために交換しないことが多いのです。
「水回りは全部新品がいい」「長く安心して住みたい」という人は、必ず排水管の交換有無を確認しましょう。
排水管についての解説:マンションのPS(パイプスペース)とは、MB(メーターボックス)とはなんなのか – ミクロ不動産
保証書は発行されるのかどうか
リフォーム済み物件を購入する際、多くの人が気になるのが「保証はどうなっているのか」という点です。 新品の設備が入っているとはいえ、リフォーム工事には施工不良のリスクがつきものです。 そのため、保証書の有無は購入後の安心感に大きく影響します。
しかし、売主によっては保証書を発行しないケースもあります。 「保証書がない=保証がない」と思ってしまう人もいますが、実はそうとは限りません。
リフォーム済み物件の売主は大手企業もあれば、零細企業もあります。 零細企業だから悪いというわけではありませんが、保証書を発行しない会社も存在します。
ただし、保証書がないからといって保証がないわけではありません。
不動産売買契約には「契約不適合責任」があり、売主は最低2年間の保証を負う義務があります。 そのため、保証書がなくても法律上は買主を守る仕組みが整っています。
とはいえ、保証書がある方が安心できるのは事実です。 気になる場合は、保証書の有無を必ず確認しましょう。
(契約不適合による修補請求、代金減額請求および損害賠償請求)
第●条 | 売主は、買主に対し、引渡された本物件が種類または品質に関して契約の内容に適合しないもの(以下「契約不適合」といいます。)であるときは、責任を負うものとし、買主は、売主に対し、次のとおり請求することができます。 (1) 買主は、売主に対し、本物件の修補を請求することができます。ただし、売主は、買主に不相当な負担を課すものではないときは、買主が請求した方法と異なる方法による修補をすることができます。 (2) 前号の場合において、買主が、売主に対し、相当の期間を定めて修補の催告をし、その期間内に修補をしないときは、買主はその不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができます。ただし、買主が売主に催告しても修補を受ける見込みがないことが明らかであるときは、催告をすることなく直ちに代金の減額を請求することができます。 (3) 第1項の契約不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、第1号の修補請求、第2号の代金減額請求のいずれもすることはできません。 |
2 | 第1項の契約不適合が、本契約および社会通念に照らして売主の責めに帰すことができない事由によるものであるときを除き、買主は、売主に対し、損害賠償を請求することができます。 |
3 | 買主が、売主に対し、引渡完了日から2年以内に契約不適合の旨の通知をしないときは、売主は、買主に対し、前2項の責任は負いません。 |
換気扇が付いているかを確認しましょう
リフォーム済み物件は全体的に綺麗に仕上がっているため、細かい設備を見落としがちです。 その中でも特に見落としやすいのが「換気扇」です。
トイレや洗面所、浴室などは換気が重要な場所ですが、物件によっては換気扇が設置されていないケースがあります。 特に古いマンションでは、トイレに窓があるからという理由で換気扇が付いていないことも珍しくありません。
換気扇がないと、湿気や臭いがこもりやすく、カビの原因にもなります。 ここでは、換気扇の確認ポイントや、換気扇がない場合のデメリットを解説します。
リフォーム済み物件だからといって、すべての部屋に換気扇が付いているとは限りません。
特にトイレは、
窓があるから換気扇なし
元々換気扇がない構造のまま
というケースがあります。
換気扇がないと、臭いや湿気がこもりやすく、カビの原因にもなります。 内見時には必ず換気扇の有無を確認しましょう。
エアコンは全部屋つけられるか
リフォーム済み物件を見ると、内装が綺麗になっているため「どの部屋にもエアコンが付けられるだろう」と思いがちです。 しかし、マンションの構造によってはエアコンを設置できない部屋が存在します。
特に古いマンションでは、エアコン用のスリーブ(穴)がない部屋があったり、配管ルートが確保できないことがあります。 最近ではリフォーム時に“先行配管”をしてエアコン設置を可能にしている物件もありますが、すべての物件がそうとは限りません。
リフォーム前はエアコンが付けられなかった部屋でも、リフォーム時に先行配管をしてエアコン設置を可能にしている物件があります。
ただし、すべての部屋にエアコンが付けられるとは限りません。
エアコン用の穴があるか
室外機の置き場が確保できるか
配管ルートが確保されているか
これらは必ず確認しましょう。
売主直売に問い合わせて買うことはおすすめできない
SUUMOなどのポータルサイトを見ていると、「売主直売」「売主直販」という表記を見かけることがあります。 一見すると、仲介会社を通さずに直接買えるため、スムーズでお得に感じるかもしれません。
しかし、売主直売にはメリットもある一方で、デメリットも存在します。 特に不動産の知識が少ない人にとっては、売主直売はリスクが高い買い方になることがあります。
売主直売は仲介手数料がかからない場合がありますが、買主側の立場に立ってアドバイスしてくれる人がいません。
売主はあくまで“売る側”の立場です。 買主の利益を守る役割はありません。
そのため、
デメリットを説明してくれない
不利な条件を見落としやすい
トラブル時に交渉が難しい
といったリスクがあります。
不動産購入に慣れていない人は、仲介会社を通す方が安心です。
売主直売のメリットとデメリット:売主物件(売主直売)の仲介手数料は無料?売主直で買うメリットとデメリットとは – ミクロ不動産
リフォーム済み物件を買うことがおすすめの人
リフォーム済み物件は、すべての人にとって完璧な選択肢というわけではありません。 しかし、条件が合う人にとっては、非常にコスパが良く、満足度の高い買い物になります。
特に「すぐに住みたい」「綺麗な部屋に住みたい」「立地を重視したい」という人には、リフォーム済み物件は強くおすすめできます。
リフォーム済み物件は以下のような人に向いています
すぐに引っ越したい
コスパよく綺麗な部屋に住みたい
良い立地に住みたい
トラブルを避けたい
リフォームしていない中古物件を買って自分でリノベーションする方法もありますが、トラブルが多いのが現実です。
リフォーム済み物件は保証期間も長く、安心して住める点が大きなメリットです。
一方で、リフォーム済み物件が向かない人もいます。 特に「間取りに強いこだわりがある」「自分の理想の空間を作りたい」という人にとっては、完成済みのリフォーム物件は自由度が低く、満足度が下がる可能性があります。
以下のような人にはリフォーム済み物件は向きません。
間取りに強いこだわりがある
多少予算が上がっても理想の空間を作りたい
リフォーム済み物件は完成した状態で販売されているため、間取り変更は基本的にできません。 自由度を求める人は、リフォーム前物件+リノベーションの方が満足度が高いでしょう。
物件を買って、自分でリノベーションをする際のトラブル事例:中古マンション購入のリノベーション施工のトラブル事例と対策をセットで紹介! – ミクロ不動産
まとめ
リフォーム済み物件は、見た目が綺麗で設備も新しく、すぐに住めるという大きなメリットがあります。 しかし、リフォーム済みだからといってすべてが完璧というわけではありません。 フルリフォームなのか部分リフォームなのか、排水管は交換されているのか、保証はどうなっているのかなど、購入前に確認すべきポイントは多くあります。
また、売主直売のように一見お得に見える買い方にも注意が必要です。 不動産購入は人生の中でも大きな買い物だからこそ、慎重に判断することが大切です。
その一方で、リフォーム済み物件はコスパが良く、立地の良い物件に出会える可能性も高い魅力的な選択肢です。 私自身、売主側・仲介側・リノベーション側すべての立場を経験してきた中で、総合的に見てもリフォーム済み物件は非常にバランスの良い買い方だと感じています。
あなたが後悔しないためには、「見た目の綺麗さ」だけで判断せず、この記事で紹介したポイントをしっかり確認しながら物件選びを進めることが大切です。 ぜひ、リフォーム済み物件も選択肢のひとつとして前向きに検討してみてください。
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