マンションの図面を見ていると、必ずといっていいほど目にする「PS」や「MB」という記号。業界では当たり前のように使われていますが、初めてマンション購入を検討する方にとっては「これって何?」と戸惑うポイントのひとつです。私自身、これまで多くの内見同行や記事執筆をしてきましたが、読者から寄せられる質問の中でも“図面の専門用語”は常に上位に入ります。特にPS(パイプスペース)やMB(メーターボックス)は、マンションの構造やリフォームの可否に直結する重要な設備であり、知らないまま購入すると後悔につながるケースも少なくありません。
そこで今回は、これまでの経験や記事改善の中で蓄積してきた知識をもとに、PSとMBの役割・注意点・内見時のチェックポイントを、できるだけ分かりやすく、そして実務的に解説します。図面の読み方が分かるようになると、マンション選びの精度は一気に上がります。この記事を読み終える頃には、あなたも図面の“裏側”まで理解できるようになっているはずです。
💡中古マンション内見チェックリスト38選|プロが見るべきポイントを完全解説
不動産の専門用語を分かりやすく知りたい
PS(パイプスペース)やMB(メーターボックス)の意味を理解したい
リフォームを前提にマンション購入を検討している
図面の読み方をレベルアップしたい



マンションの図面を見ると、必ずといっていいほど「PS」という表記が登場します。
しかし、初めて図面を見る方にとっては「何のスペース?」「部屋が狭くなるの?」と疑問に感じるポイントです。
PSはマンションの排水設備に関わる非常に重要な部分で、キッチン・洗面台・浴室・トイレなど、生活に欠かせない水回りの排水を縦方向にまとめて流すためのスペースです。マンションは上下階で排水管がつながっているため、PSの位置は建物全体で統一されており、リフォームでも動かすことができません。
つまり、PSの位置を理解することは、間取りの自由度やリフォームの可否を判断するうえで欠かせない知識なのです。
PS(パイプスペース)とは、マンションの排水管が通っている縦方向のスペースのことです。
キッチン、洗面台、浴室、洗濯機などの「雑排水」と、トイレの「汚水」は別々の管で流れることが多く、マンションによってはPSが2つある場合もあります。
- キッチン
- 浴室
- 洗面台
- 洗濯機
- トイレ



上記の図のように、排水は地下に潜っています。全ての階から地下に排水を流すために、1階から最上階である4階まで縦に管を設置し、各部屋のキッチンから排水を流しています。
キッチンだけを例にしていますが、トイレ、浴室、洗面台、洗濯機も同じように排水されています。
皆さんが目にするSUUMO等の図面には「PS」と記載されいているか「×(デッドスペース)」で記載されています。
PS(パイプスペース)は、共用部なので、リフォームで場所を移動するなどはできません。
リフォームする際は、PSの位置は移動しない前提で設計をしましょう(中古マンションを買ってリノベーションする際の注意点 失敗しない方法 徹底解説)。
パイプスペース PSで内見のときのチェックポイント
PS本体を目視確認できることは稀
内見時に「PSを見せてください」と言っても、ほとんどの場合は見ることができません。
PSは壁の中に隠されており、住戸内から直接確認できるケースは非常に少ないためです。しかし、PSの状態はマンションの寿命や漏水リスクに関わる重要な要素であり、見えないからこそ“間接的なチェック”が必要になります。ここでは、内見時にどこを見ればPSの状態を推測できるのか、実務的な視点で解説します。
キッチンや洗面の排水管の材質を確認する
PS本体が見えない場合でも、専有部の排水管を見ることで、マンション全体の配管状態を推測できます。特に築古マンションでは、銅管が使われているケースが多く、10年以上経過すると漏水リスクが高まります。排水管の材質は、リフォームの可否や将来のメンテナンス費用にも直結するため、必ず確認しておきたいポイントです。
リフォームをするときに水回りは移動できるか確認
壁排水だと水回りは移動しずらい
下の写真の赤丸部分のように、排水が壁に向かっている場合は壁排水です。



下の絵も排水が壁に向かっています。



床排水だと水回りの移動がしやすい
下の写真の赤丸のように排水が床に向かっている場合は床排水です。



パイプスペースPS本体は移動してはいけない
間取り図に書いてあるPS部分はリフォーム工事で、移動してはいけません。
縦管は共用部なので、移動や交換は管理規約上不可です。
キッチンや風呂等に繋がっている排水管は、専有部分なので、交換可能です(ごく稀に交換不可のマンション有)。
排水の経路を調べる方法
内見だけで排水経路を完全に把握するのは難しいです。
しかし、リノベーションを前提にしている場合、排水経路を知ることは非常に重要です。排水経路を誤解したまま工事を進めると、追加費用や工事不可といったトラブルにつながるためです。
排水経路は内見だけでは分からないことが多く、竣工図(青図)を確認する必要があります。
リノベ前提なら、必ず竣工図を確認しましょう。
パイプスペースPSの排水管交換の確認方法
マンションの価値を判断するうえで、共用部の排水管が更新されているかどうかは非常に重要です。
排水管工事は大規模で費用も高額なため、更新されているマンションは管理状態が良く、資産価値も高い傾向があります。
共用部の排水管が更新されているかは、 重要事項調査報告書(重調) を確認しましょう。
工事履歴に「排水管更新工事」と記載があれば更新済みです。 排水管工事は数千万円規模になるため、更新済みマンションは大きな安心材料になります(重要事項調査報告書の解説(重調の解説)発行のタイミング 徹底解説!)。
メーターボックスとは MBとは
PSと並んで図面に必ず登場するのが「MB(メーターボックス)」です。
水道メーターや電気メーターが設置されている場所で、こちらも共用部に該当します。PSと似たような表記ですが、役割はまったく異なります。MBの位置を理解しておくと、給水管の経路やリフォームの制限も把握しやすくなります。
メーターボックスMBの空間を物置にしてもいいのか
MBはスペースが広く、つい物を置きたくなる場所です。 しかし、共用部である以上、物を置くことは管理規約で禁止されています。 万が一事故が起きた場合、責任を問われる可能性があります。
しかし・・・置いちゃってることがおおいですね。
管理規約の見方の解説記事:管理規約とは チェックポイントを解説 使用細則、修繕細則、ペット飼育細則
まとめ
マンションの図面に登場する「PS」や「MB」は、一見するとただの記号に見えますが、実はマンションの構造やリフォームの自由度、さらには資産価値にまで影響する重要な設備です。PSは排水管が通る縦方向のスペースであり、共用部のため移動ができません。リフォームを検討する際には、PSの位置を前提に間取りを考える必要があります。また、排水管の材質や更新履歴は、漏水リスクや将来の修繕費に直結するため、内見時や購入前に必ず確認しておきたいポイントです。
一方、MB(メーターボックス)は水道・電気メーターが設置されているスペースで、こちらも共用部に該当します。物置として使われがちですが、管理規約上は禁止されており、事故やトラブルの原因になることもあります。
マンション購入では、間取りや設備だけでなく、こうした“見えない部分”を理解することが後悔しない物件選びにつながります。特に築古物件では、配管の更新状況や排水方式を確認することで、将来のトラブルを未然に防ぐことができます。図面の読み方を理解し、PSやMBの役割を把握することで、あなたのマンション選びは確実にレベルアップします。


















コメント
コメント一覧 (3件)
[…] MBについての記事:マンションのPS(パイプスペース)とは、MB(メーターボックス)とはなんなのか […]
[…] マンション間取りに書いてあるパイプスペースPSとは?メーターボックスMBとはなんなのか […]
[…] 排水管についての解説:マンションのPS(パイプスペース)とは、MB(メーターボックス)とはなんなのか – ミクロ不動産 […]